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No. 5211 ヴィクトリアン スターリングシルバー フィドルパターン ティースプーン
長さ 14.0cm、重さ 28g、ボール部分の長さ 4.8cm、最大幅 3.1cm、ボールの深さ 8mm、柄の最大幅 1.65cm、1897年 シェフィールド、Albert Barker作、六千円 (8本あります-->6本あります-->3本あります-->SOLD)

今から百十年前に作られたフィドルパターンのスターリングシルバー ティースプーンです。 柄やボール部分に銀が厚めに使ってあり、28グラムという持ちはかりは、ティースプーンとしてはかなりなもので、シルバーの重みを感じさせてくれる重厚なヴィクトリアン アンティークと思います。 写真四番目で側面の様子を撮ってみました、しっかりした作りであることが、写真でもお分かりいただけるでしょう。

ヴィクトリア時代にはティースプーンとして使われた品ですが、全長が14センチにボール部分の長さが5.0センチ近くもあり、実際のところ現代的な感覚からはティースプーンとしてはかなり大きい感じです。 この品の重さは通常のティースプーンの範疇を超えていると思いますので、普段使いの一本として、デザートスプーンやプリザーブスプーンとしてもお使いいただけると思います。 また、お茶の席でティースプーンとして見かけると、その存在感が印象的で、裏面のブリティッシュホールマークとも併せて、珍しくて話題性のあるアンティークとなります。

このスプーンのパターンは柄の形がヴァイオリン(Fiddle)に似ていることから、フィドルパターンと呼ばれます。 もともとは18世紀のフランスで人気だったこのフィドルパターンは、19世紀に入った頃からイギリスでも次第に流行っていきました。 フィドル パターンについてはアンティーク情報欄「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事も合わせてご覧ください。

裏面のブリティッシュ ホールマークがくっきり深く刻印されているのもこの品のよい特徴です。 ホールマークは順に1897年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、そして「AB」マークはAlbert Barkerのメーカーズマークになります。

アルバート・バーカーはジョージアン以来の老舗であったThornhill & Co.で経営トップにあたるパートナーを務めた人でしたが、1885年に独立してロンドンのNew Bond Street 五番地に店舗を構えました。 百年以上たった今日でも、ニュー・ボンドストリートがロンドンで最もポッシュな界隈であることは同様なのですが、このティースプーンを通じて当時の様子を想像してみるのも楽しいでしょう。

Albert Barker Ltd の興味深いところは、取り扱い品がシルバーウェアに限らず、旅行かばん等のトラベルグッズ、金銀やジェムストーンといった宝飾品、そして文房具など多岐にわたっていたことです。 そして1892年には 『Special warrants of appointment to Her Majesty the Queen and T.R.H. the Prince and Princess of Wales』を得て、王室御用達の業者になったことから、さらに人気となったようです。

このティースプーンを手にしてみて感じる一番のポイントは、しっかり頑丈に出来ていることです。 王室御用達のシルバースミスとして、英国風を強く意識して作られた結果ではないかと思うのです。









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