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No. 5122 ヴィクトリアン スターリングシルバー クリスティング スプーン
& フォーク セット
スプーン長さ 14.8cm、重さ 26g、フォーク長さ
14.7cm、重さ 23g、共に1876年 ロンドン、Edward
Barnard & Sons作、三万五千円
ヴィクトリアン中期に作られたスターリングシルバーのクリスティング スプーン&フォーク セットです。 彫刻が両面に施されていることから、ゴージャスな雰囲気のお祝い品に仕上がっています。 エングレービングが素晴らしく、レベルの高いアンティークと思います。
クリスティング セットとは、洗礼式あるいは命名式のお祝いに子供に与えられた品を言います。 古くは、12使徒が柄についたアポストルスプーンがプレゼントされたりしていたようですが、19世紀の初めからは、装飾的なナイフ、フォーク、スプーンの単品あるいはセットが用いられるようになりました。 お祝い品であるため、あまり使われることなく現在に至っていることも多くて、アンティークとしてはありがたいケースなのですが、この品もそうした事例の一つとなっています。
花模様やエッジ周りの飾り彫り、そして柄の中心線に沿ったウェーブパターンの装飾など、手彫りの彫刻はかなり細やかな仕事で、写真では十分にその繊細さがお伝え出来ませんが、アンティークハント用のルーペがお手元にあれば、この限界的な職人技の素晴らしさを分かっていただけると思います。 ルーペでじっくり観察していくと、彫りの跡から彫刻刀を振るった向きまでもが窺い知れ、銀職人さんの息遣いが伝わってくるところにも私は惹かれます。
今から百三十年以上前に作られたという古さもアンティークとして大きな魅力になりましょう。 この品が作られたヴィクトリアン中期のイギリスについては、アンティーク情報欄にあります「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記事もご参考ください。
この品について、もう一つ特筆すべきことはシルバースミスの歴史にあります。 このクリスティング セットを作った「Edward
Barnard & Sons」は、現在知られているすべてのシルバースミスの中で、1680年頃にロンドンのシティーで創業したイギリスでも最古のシルバースミスと言われています。
品物自体も十分に古いのですが、そのシルバースミスの歴史は三百三十年ほど前まで遡れるという意味で、二重に古いアンティークなのです。
裏面その1
裏面その2
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