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No. 5082 アイビー モチーフのスターリングシルバー クロス
クロス本体の縦(丸い留め金含まず) 3.55cm、横 2.1cm、厚さ 1mm強、1910年 バーミンガム、二万二千円

エドワーディアンの時代が終った年に作られたスターリングシルバー クロスで、手彫りの彫刻の繊細さにおいてかなりレベルの高い品と思います。 縦横が3.55cm*2.1cmで、幅は5.5ミリというサイズは、大き過ぎず小さ過ぎず、エングレービングを見せるにも適当なサイズであることも気に入りました。

19世紀後半からしばらく、ヴィクトリアンやエドワーディアンのイギリスでは、当時の自然主義的傾向にアイビーがよくマッチした為、バルコニーやガーデンファーニチャーに絡まるアイビーが大変好まれました。 アイビーは蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠実ないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 そしていつも緑であることから、Immortality(不滅)や Eternal Life(永遠の魂)を表すクリスチャンモチーフともなっています。

手彫りのエングレービングはとても細やかな出来栄えです。 クロスの基本デザインであるアイビーのエッジは深めなタッチで彫られていますが、背景で色合いが濃いめに見えるシェード部分はとても繊細なエングレービングで、1ミリ間隔に何本もの細かさで彫刻線を引いた仕事です。 写真では解像力不足でよくご覧いただけないのが残念ですが、マグニファイイング グラスで見ていただくと、百年ほど前の限界的な手仕事の繊細さに驚かれると思います。

裏面のブリティッシュ ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1910年のデートレターです。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 このクロスが作られたのは1910年ですから、正式なアンティークに昇格するまでにあとまだ四年が必要になる計算です。 しかし、気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、このシルバークロスには、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

アンティーク アイビー モチーフのスターリングシルバー クロス



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