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No. 5077 Francis Higgins ヴィクトリアン スターリングシルバー Queen Anne パターン バターナイフ
長さ 12.7cm、重さ 19g、ブレード最大幅 1.9cm、1891年 ロンドン、Francis Higgins作、一万三千円

(1)小振りなバターナイフながら、普段使いの朝食用としたり、あるいはアフターヌーンティーのスコーン用に使ったりと、幅広く使えること。
(2)ヴィクトリアン後期に流行ったQueen Anne パターンで、盾状デートレターからも、かなり古いヴィクトリアーナであることが分かりやすいこと。
(3)「Francis Higgins」はヴィクトリア時代を代表するシルバースミスであること。
等がポイントになりましょう。

小振りながらも19グラムという持ちはかりがあり、柄の最大厚みも3ミリ強あって、シルバーがしっかり使ってある印象のヴィクトリアン バターナイフです。

柄のデザインはQueen Anne パターン、あるいはオーバニー(Albany)パターンと呼ばれ、1880年代にイギリスで初めて登場し1900年頃にはかなりの人気となりました。 このバターナイフは1891年の作ですので、Queen Anne パターンの絶頂期の品と言えましょう。

柄の最も細い部分にホールマークがあるので、メーカーズマークのハートは両サイドにスペースが足りなくて切れていますが、四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり刻印されているのはよいでしょう。 刻印は順に「Francis Higgins」のメーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1891年のデートレターです。

デートレターをご覧いただくと、その形が盾状をしていて特徴があります。 ロンドンアセイオフィスにおける19世紀のほぼ第四四半期にあたる1877年から1895年までのデートレター サイクルは「盾」と覚えておかれると、アンティークハントの時には便利です。 この時代はイギリスの国力が大いに伸張した時期にあたることから、今日においてもこの頃のアンティークに出会う可能性も高いのです。 デートレターをすべて暗記することは難しくても、「ロンドンの盾はヴィクトリアン後期」と知っておくと便利でしょう。

シルバーウェアについての参考書を紐解くと、ヴィクトリア時代の最重要なシルバースミスとして、フランシス・ヒギンスとジョージ・アダムス(= Chawner & Co.)が引き合いに出されることが多いようです。 このバターナイフを作ったのはその一つである「Francis Higgins」になります。

メーカーズマークはハート型に「FH」が入ったモダンな印象の刻印なのですが、当時のホールマークとしては珍しい形で、そんなことからも一度見たら忘れられないマークです。 Francis Higginsの名前は、やはりコレクター需要が高いのは事実なので、メーカーにこだわりのない方も、シルバーのお勉強がてら、「ハートにFH」=「Francis Higgins」と覚えておかれてもよいでしょう。

この品が作られたヴィクトリア時代の背景については、「英国アンティーク情報」欄の「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」や「14.Still Victorian」の解説記事もご参考ください。

アンティーク Francis Higgins ヴィクトリアン スターリングシルバー Queen Anne パターン バターナイフ



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