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No. 5002 スターリングシルバー & ブラス シースルータイプ コンパス ペンダントヘッド
最大横長 2.45cm、縦の長さ(留め具含む) 2.75cm、厚さ 5.5mm、コンパス本体の直径 1.65cm、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、一万九千円

コンパス本体はブラス製で、スターリングシルバーの帯状金具が取り巻いています、そしてヴィクトリアン アイアンワークを思わせるスパイラル飾りがアクセントとなっています。 数百年前から続くという旅籠のパブサインをスケッチした時に、同じようなデザインを見かけたことを思い出しました。 「Spiral=渦巻き、螺旋」というのは、とても重要なケルティックモチーフでもあり、渦巻きは太陽を象徴し、そこからGrowth(成長)、Expansion(拡大)、Energy(活力)の意味合いが導かれます。 

濃い青色をした磁針の周りの丸く黒い部分は、透明に透けて向こう側の布地が見えている為です。 向こう側が透けて見えるなかで、青色の磁針が揺れる涼しげな雰囲気が気に入っています。 フレーム部分に刻印はありませんが、金属の風合いからみてスターリングシルバーと思います。

何気に見ていると気が付きませんが、よーくじっくり見てみると、なかなかの細工の工芸品であることが分かります。 表と裏の二枚のガラス間に磁針の軸を差し渡し、上下のガラス間にブリッジをかけるようにして、軸を固定すると同時に磁針がクルクルと機能するのはなぜでしょう。 上下のガラスの内側には小さな穴が削り掘ってあって、両端を針のように尖らせた磁針軸が、微妙なバランスでもって内部に留め置かれることで、磁針のスムーズな機能が保たれる仕組みなのです。

支柱になっている軸に対して磁針が短いタイプなので、北の方向を見定めるにはコンパスをよく水平に保ったりと、ちょっとした世話も必要ですが、これはアンティーク コンパスの楽しみのうちでしょう。

イギリス人は今も昔も野歩き好きで、遠いヴィクトリアの時代からコンパスが利用されてきました。 そして今ではアンティークコンパスはコレクターアイテムでもあります。  アンティークなコンパスですが、正しい方位を示してくれます。 これさえあれば、野歩きで森に入っても道に迷う心配はありません。

方位磁針というとアウトドアのイメージですが、都会の街でも便利です。例えば、ロンドンの地下鉄では乗り換え時にいくつもの通路や階段を行ったり来たりするうちに、自分がどの方角にいるのか分からなくなったりします。そんな時、電車が入ってくる方角や、電車の前後のどちらに乗ったらよいか等、ちょっと知りたい時にも便利です。(ロンドンの地下鉄は日本と違って、駅のホームに隣駅の駅名表示がないので、電車がホームの左右どちらから入ってくるか、すぐには分からないことが多いのです。)首にさげていると中の針がゆらゆら揺れるのも楽しいものです。電車に乗っている時はモーターからの電磁波の影響で針がくるくると回り、子供が不思議がります。

お客様から教えていただいた、いいお話がありましたので、以下でご紹介させていただきます。
『米映画「依頼人(THE CLIENT)」の放送を見たためです。少年がポケットにあった1ドルで女弁護士を雇う話です。それが映画の中で、女性弁護士が「あなたが幸せの道を間違えないように」(こんな感じのセリフでした)と、少年に祖母からもらったというコンパスネックレスをかけてあげるシーンがあったのです。このコンパスネックレス自体は、シルバーの三角形(△)の真ん中に小さいコンパスが付いているだけという地味なデザインだったのですが、昔からそういう意味でコンパスネックレスがあるのかと思ったら、ちょっと気になってしまいました。』

アンティーク スターリングシルバー & ブラス シースルータイプ コンパス ペンダントヘッド



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