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No. 4497 Peter & William Bateman スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン テーブルスプーン
長さ 21.7cm、重さ 56g、ボール部分の長さ 7.9cm、最大幅 4.35cm、ボールの深さ 1.1cm、1807年 ロンドン、Peter & William Bateman作、二万七千円

既に二百年という年月が経過しているアンティークで、Peter & William Bateman作のスターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン テーブルスプーンになります。 

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますが、この銀のスプーンが作られたのは1807年のことですので、余裕でアンティークのカテゴリーに入るどころか、その二倍の"ダブル"アンティークとなっているわけで、そんな辺りにもアンティーク ファンとしての楽しみ方がある品と言えましょう。

1790年にヘスター・ベイトマンが引退し、彼女の二人の息子達であったピーターとジョナサンによってファミリービジネスは引き継がれました。 ところが翌1791年にはジョナサンが亡くなってしまい、ジョナサンの奥方であったアンがご主人に代わり、ピーターとビジネスパートナーを組み、PB,AB(ピーター、アン ベイトマン)のマークで工房は引き継がれました。 アンの息子であるウィリアムが長じてPB,AB,WB(ピーター、アン、ウィリアム ベイトマン)の三人パートナー制でしばらくは工房の運営がなされましたが、1805年にはアンが引退して、このスプーンの刻印であるPB,WBの時代になったわけです。

写真三番目のホールマークは順に、「Peter & William Bateman」のメーカーズマーク、ジョージ三世の横顔マークはデューティーマーク、1807年のデートレター、ロンドン レオパードヘッド、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントです。 

数多いシルバーウェアの中でもベイトマン ファミリーの品は別格に扱われることが多いようです。 一つには二百年に近い年月を経ているということがあるでしょう。 しかしそれでも、なぜ?と思われる方も多いはずです。 手にとって直に見てみると、ボール部分が先細なタイプで品の良さを感じ、柄の曲線のなんとも言えない優雅さ、手仕事のみが生み出す温かさが多くの人を惹きつけてきた要因であることがわかります。 

そうは言っても、ベイトマン以外のオールドイングリッシュ パターンの品とここがどうしても違うとは私は思わないのですが。 結局のところベイトマンがアンティークシルバーにおいて別格なのは、鶏が先か卵が先かの議論にもなりますが、コレクターの需要が強いからということになるのでは、と思います。

ベイトマン ファミリーの系譜については、 「19.ベイトマン ファミリーのメーカーズマーク」の解説記事もご参考ください。 また、オールドイングリッシュ パターンについては、「4.イングリッシュ スプーン パターン」を、そしてデュティーマークについては、「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」解説記事の後半もご覧ください。

Peter & William Bateman スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン テーブルスプーン





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