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No. 4421 ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュパターン テーブルスプーン
長さ 22.2cm、重さ 67g、ボール部分の長さ 8.0cm、ボール部分最大幅
4.7cm、深さ 1.2cm、1852年 ロンドン、George
W Adams(=Chawner & Co)作、二万三千円
今から150年以上前のヴィクトリア時代の初めに作られたオールドイングリッシュパターンのスターリングシルバー テーブルスプーンです。 67グラムと持ちはかりがあって、柄の最大厚みは4ミリほどもあり、銀がたっぷり使われて作られているのは好印象です。
有名シルバースミスであるジョージ・アダムス(=Chawner
& Co)の名前と、アンティークとしての古さに惹かれて求めました。 ちなみに日本史で言うと、この品が作られた翌年の1853年には、ペリー提督の率いるアメリカの黒船が浦賀に来航し、『太平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)、たった四杯(四艘)で夜も眠れず』の狂歌が江戸の街で流行っています。 いかに古いアンティークであるかがお分かりいただけると思いますが、コンディション良好なアンティークでもあり、あまり使われることなく現在に至っているものと考えられます。
ボール裏面にイングリッシュ ホールマークがしっかり深く刻まれているのもこの品の良い特徴です。 マークは順に「George
W Adams」のメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドンレオパード
ヘッド、1852年のデートレター、そしてヴィクトリア女王の横顔でデューティーマークとなっています。 「GA」マークの横に「E」の刻印が見えますが、これはジャーニーマンズ マークでしょう。
英国アンティークシルバーウェアの参考書によれば、ヴィクトリア期の重要シルバースミスとして、ジョージ・アダムスとフランシス・ヒギンスが挙げられることが多いようです。 その一つである「George
W Adams」は、ヴィクトリア時代以前からの重要メーカーの一つであるChawner
& Coと実質同体になります。 Chawner &
Coは1815年にWilliam Chawnerが始めた工房ですが、創業から1883年にAldwincle
& Slaterに買収されるまで、何回か名前を変えています。
William Chawner 1815-1834
Mary Chawner 1834-1841
Mary Chawner & Co. 1842-1845
Chawner & Co 1845-1883
創業者William Chawner亡き後は、妻Maryが会社を継ぎました。1845年以降はMaryの娘Anneの夫であったGeorge
William Adamsが会社を継ぎましたが、1883年にはGWAが引退して、会社をAldwincle
& Slaterに売却しています。