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No. 4103 William Bateman スターリングシルバー フィドルパターン テーブルスプーン
長さ 22.3cm、重さ 72g、ボール部分の長さ 8.0cm、最大幅 4.8cm、ボールの深さ 1.1cm、柄の最大幅 2.45cm、1818年ロンドン、William Bateman作、二万八千円

今から百九十年前に作られたスターリングシルバー フィドルパターン テーブルスプーンで、William Batemanの作になります。 

柄先に彫られた花文字の左右に広がっていく優雅なラインは穏やかな雰囲気で気に入っています。 今日のテーブルスプーンと比べるとかなり大きく、やはり72グラムという持ちはかりはインパクトがあって、昔のシルバーウェアとはこういうものかと思えます。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますが、このスプーンが作られたのは1818年ですから、余裕でアンティークのカテゴリーに入るどころか、あとしばらくで"ダブル"アンティークにもなるわけで、やはりこれほどの古さは大きな魅力と言えましょう。

ホールマークのガイドブック 『Jackson's Hallmarks』によれば、William Batemanについて 「Very good (best of the Batemans)」 とコメントされており、この品の場合はシルバースミスの名前が大きなポイントになっています。

このスプーンのパターンは柄の形がヴァイオリン(Fiddle)に似ていることから、フィドルパターンと呼ばれます。 もともとは18世紀のフランスで人気だったこのフィドルパターンは、19世紀に入った頃からイギリスでも次第に流行っていきました。 

数多いシルバーウェアの中でもベイトマン ファミリーの品は別格に扱われることが多いようです。 一つには二百年近い年月を経ているということがあるでしょう。 しかしそれでも、なぜ?と思われる方も多いはずです。 手にとって直に見てみると、ボール部分が先細なタイプで品の良さを感じ、柄の曲線のなんとも言えない優雅さ、手仕事のみが生み出す暖かさが多くの人を惹きつけてきた要因であることがわかります。 

そうは言っても、ベイトマン以外のテーブルスプーンの品と較べて、ここがどうしても違うとは私は思わないのですが。 結局のところベイトマンがアンティークシルバーにおいて別格なのは、鶏が先か卵が先かの議論にもなりますが、コレクターの需要が強いからということになるのでは、と思います。

ホールマークは順に、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドンレオパードヘッド、1818年のデートレター、ジョージ三世の横顔マークはデューティーマーク、そして「William Bateman」のメーカーズマークです。 

イギリスのアンティークスプーン パターンについては、詳しくは「英国アンティーク情報」欄にあります「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事をご覧ください。
また、ベイトマン ファミリーの系譜については、 「19.ベイトマン ファミリーのメーカーズマーク」もご参考ください。 







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