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No. 4054 Trinity モチーフ スターリングシルバー クロス with ハンドエングレービング
縦の長さ(留め具含まず) 3.2cm、横の長さ 1.95cm、留め具を含む縦長 3.5cm、厚み 1mm弱、一万三千円

トリニティーモチーフは丸い形が多いのですが、このクロスの四隅に見られる三角形はトリニティーのヴァリエーションとみてよいでしょう。 写真二番目にあるように、裏面にはスターリングシルバーを示す「STERLING SILVER」の刻印があります。

手彫りのエングレービングはなかなかに繊細な仕事で、ルーペを使って詳しく見てみると、少なくとも五種類の違ったタイプの彫りで全体デザインが構成されているのが分かります。 まずトリニティーの三角部分にあるブライトカット様の三つの彫り、クロスの縦方向に見える斜めの深いタッチの彫り、ジグザグラインとその左右に施されたドット状の小さな丸彫り、クロスボディーに見える縦横の細かな線彫り、最後にクロスボディーの平坦面に点在する小さな楕円状の彫りというわけです。 

ヴィクトリアンやエドワーディアンの典型的なデザインではないのですが、手仕事の味わいと言いましょうか、温かみが伝わってくるアンティーク クロスであると感じられます。

トリニティーの丸型が直線からなる三角になっていること、そして彫りの基本デザインも直線で構成されていることを考え合わせると、アール・デコの影響が出ているように思われます。 デートレターがないので製作年を特定することは難しいのですが、彫りの様子やデザインから判断して、作られたのは1920年代から30年代あたりではないかと考えます。

トリニティーとは、「the Father, the Son and the Holy Spirit(父なる神、子なるイエス・キリスト、そして聖霊)」の三者が一体であるとする三位一体説のことで、クロスに見える三角形の各頂点が三者をあらわしているというわけです。 

オックスフォードやケンブリッジの大学に行きますと、キングスカレッジやクイーンズカレッジなどの名前に加えて、トリニティーカレッジもおなじみです。 トリニティーという概念は、昔から重要な役割を果たして来たことがうかがい知れます。



裏面の様子

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