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No. 20149 エドワーディアン スターリングシルバー 鉛筆ホルダー
収納時の長さ 9.2p、銀円環含む長さ、10.3cm、横幅1.1cm、厚み 6mm、1908年 バーミンガム アセイオフィス、三万八千円

今から百年以上前に作られたスターリングシルバーの鉛筆ホルダーで、手彫りのエングレービングが素晴らしい品です。 ブリティッシュ ホールマークがしっかり刻印されたアンティークであるところにも惹かれました。

ウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)やEternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれました。 ウェーブパターンの基本デザインは深めなタッチで彫られていますが、背景の色合いが濃いめに見えるシェード部分はとても繊細なエングレービングで、1ミリ間隔に何本もの細かさで彫刻線を引いた仕事です。 写真では解像力不足でよくご覧いただけないのが残念ですが、マグニファイイング グラスで見ていただくと百年ほど前の手仕事の繊細さに驚かれると思います。

写真一番目でホルダーの先に見える四つの刻印は順にバーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1908年のデートレター、そしてメーカーズマークになります。 また、見えるように、鉛筆を差し込む側にもスターリングシルバーを示すライオンパサントと1908年のデートレターが刻印されています。

英国で「アンティーク」という言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品」を指すことになります。 そんな訳で、英語で言うと「It will become an antique in four years. (この品はあと四年でアンティークになります。)」という言い方をされることがあります。 アンティークコレクターにとっては、やはり百年という年月の経過は大きなメルクマールになりますので、上記のような会話がなされる機会も多いのです。 

写真の銀製品が作られたのは1908年ですから、正式なアンティークに昇格して、さらに10年の年月が経っています。気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、この銀の鉛筆ホルダーには、正式な英国アンティークを手にする、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

以前に同様な鉛筆ホルダーを扱ったときに、中に入れる替え鉛筆を作成してみました。 まず普通の六角鉛筆を5センチか6センチほどの長さに切ります。 カッターナイフで鉛筆の六つの各面に切り込みを入れていけば、切り離すことが出来ます。 次に上下の二面と平行に鉛筆を薄く削っていけば、ホルダーに付けられる替え鉛筆の出来上がりです。 六角鉛筆は6.5ミリほどの厚みがありますので、上下ともに1ミリ強ずつ削っていくと、ホルダーに差込可となります。 

替え鉛筆作成の作業時間は10分ほどでしたが、これでしばらくは銀製鉛筆ホルダーが楽しめるわけで、ちょっとした器用さがあれば、たいした作業ではありません。 

歴史を振り返ってみますと、この品が作られたのは第一次世界大戦の頃になります。 その頃の出来事として、今から百年前の1912年にはタイタニック号氷山に衝突して沈没とか、あるいは日本では明治時代が終って大正時代になり、夏目漱石の『こころ』が世に出た頃のことであって、ずいぶん昔のことなのです。 アンティークを手にしていると、百年に近い時の経過があらためて身近に感じられるのは楽しいことです。

エドワーディアン スターリングシルバー 鉛筆ホルダー







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