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No. 20073 フリーメイソン コンパス &直角定規 ピアストワーク スターリングシルバー 飾り お守り SOLD
直径 2.15cm、厚み 1mm、1910年代の英国製(1915年 ロンドン アセイオフィス or 1919年 バーミンガム アセイオフィス)、SOLD

ピアストワークは糸鋸を使ったハンドワークで、断面に残る糸鋸を引いたギザギザ跡も繊細で、多くの時間と手間のかかった仕事であることが分かります。 小振りな銀の飾りながら、アンティークでしか手に入らないレベルの高い職人技が駆使されていることは、特筆に価すると言ってよいでしょう。 今から百年近く前に作られた銀製のメイソン関連であることから、レアものアンティークの範疇に入りましょう。

メインモチーフの“コンパス”と“直角定規”はフリーメイソンのシンボルになり、コンパスは「道徳」を、そして直角定規は「真理」を表象しています。 このシンボルはニコラス・ケイジの映画 『ナショナル・トレジャー』の中で、宝探しの手掛かりとしてたびたび登場していたので、これまでなじみがなかったとしても、映画を見た方はとても印象に残ったことと思います。

裏面には写真二番目で見えるように、ブリティッシュ ホールマークが刻印されています。 ホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてデートレターになります。 ライオンパサントとメーカーズマークの間にあるアセイオフィスマークが識別できませんが、デートレターの字体から判断して1915年のロンドン アセイオフィスか1919年のバーミンガム アセイオフィスのどちらかになります。

フリーメイソンとはイギリスで発生し世界に広まった秘密結社です。 日本語では秘密結社との言われ方が多いようですが、アメリカではフリーメイソンのメンバーはごく普通にどこにでもいるので、“秘密”というニュアンスはなくて、いわば親睦団体のようなものと言ってよいでしょう。 『大辞林』によれば、「博愛・自由・平等の実現を目指す世界的規模の団体。中世以来の熟練石工組合を母体として一八世紀初めイギリスで結成。 啓蒙主義精神を基調とし、多くの名士を会員に含むとされるが全容は明らかでない。」とあります。

映画 『ナショナル・トレジャー』では、フリーメイソンがストーリーの根幹を成しており、アメリカにおけるフリーメイソンの位置付けを知るよい手掛かりになります。 アメリカの独立戦争を指導したリーダーの多くはメイソンだったり、その後も歴代大統領の多くがメイソンだったということです。 映画のシーンにもありましたが、1ドル紙幣に描かれた「ピラミッドと一つ目の絵柄」も、『万物を見通す目』というメーソンのマークの一つで、アメリカ的価値とフリーメイソンには分かち難い関係があるようです。

さらに言えば、日本の戦後10年を主導した歴代首相の多くはフリーメイソンだったこともあり、日本とも大いに関係があります。

14世紀にフランス王フィリップ四世によって壊滅されたテンプル騎士団の残党がスコットランドへ逃れて、フリーメイソンを創始したという説があります。 中世のテンプル騎士団は金融業に長けていて、お金持ちでした。 それがフランス国王に狙われる原因にもなったわけですが、落ち武者がスコットランドまで逃れたという説は、大いにありそうに思います。

日本で言ったら、義経伝説のようなロマンがあっていいですね。 源義経がモンゴルに逃れてチンギス・ハーンになったというのは、ちょっと難しいかなと無理を感じますが、フリーメイソン=テンプル騎士団説は、可能性としては高そうに思います。

余談ながら、欧米で13日の金曜日が不吉とされる起源の一つに、フィリップ四世がテンプル騎士団の一斉検挙を開始したのが 1307年10月13日で、それが金曜日にあたっていたからとする説があります。

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