英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ
No. 20032 アール・デコ 英国王ジョージ六世 戴冠記念 ピアストワーク シルバープレート 平型サーバー
長さ 25.9cm、重さ 67g、透かしブレードの最大幅 5.4cm、柄の最大幅 1.9cm、1937年 英国製、一万二千円
今から80年ほど前に作られたシルバープレート サーバーです。 透かし細工の美しさに加えて、柄に見られるアール・デコの直線的なデザインと、コロネーションの英国王室紋章に特筆すべき特徴があるアンティークです。
コンディション良好で綺麗な品ですが、作られたのは1937年であることが確認できます。 見たところの美しさに加えて、八十年前の作という古さも、このサーバーの大きな魅力になっていると思います。
柄先の裏面には英国王室の紋章と、「CORONATION 1937」の表示があります。 CORONATIONとは国王の戴冠式で、1937年にはジョージ六世の戴冠式典がありました。
当時の動画がありましたのでご覧になってください。
https://www.youtube.com/watch?v=foMe8YP4uFQ
国を挙げての祝賀ムードから記念のシルバープレート品が作られたことが、このアンティークの背景になっております。
紋章の細部を見てみましょう。 上部には王冠、左側には立ち姿のライオン、右側にはユニコーン(一角獣)がひかえています。 イギリスのアンティークに興味のある方なら、今後も見かけることがあるデザインと思いますので、この機会にその特徴を覚えておかれてもよいでしょう。 英国王室の紋章でありますが、広義にはイギリスを象徴するデザインともいえます。 例えば麹町の英国大使館に行かれたら、門柱辺りにもこのマークが付いているのが見られるでしょう。
ライオンは『ライオンハート(獅子心王)』の愛称で知られる12世紀の英国王リチャード一世時代からのエンブレムです。 リチャード一世は十年間の治世中に国内にいたのがたったの六ヶ月という王様で、海外での戦いに明け暮れた英国王でした。 戦いで名を馳せ、ライオンハートの称号を得て、その勇気と生きざまは騎士の模範とされています。
イギリス人のライオン好きは古くからの伝統なのだなあと分かります。 さらに、イギリス人のパブ好きは有名ですが、英国に数万件あるパブのうち、もっとも多い名前のパブが「Red Lion」であることも偶然ではないでしょう。
現女王エリザベス二世の父君にあたるのが英国王ジョージ六世です。 「王位を賭けた恋」で有名なエドワード八世が劇的な退位を遂げた後に、急遽、英国王になったのがジョージ六世でした。 ご本人も自分が国王向きなパーソナリティーであるとは思っていなかったようで、それまでに国王になる準備がまったく出来ていなかったこともあって、初めのうちは周囲からも大丈夫だろうかと心配されました。
ところがその後の対ドイツ戦争中に、側近たちがバッキンガム宮殿からの疎開を進言したのに、それを拒んで、爆撃を受けるロンドンから執務を続けたことで、国民の人気が上がりました。 戦争中のロンドンはしばしばドイツの爆撃機が来たり、さらにはV1やV2と呼ばれるミサイルまでもが飛んでくる危険な状況でありました。 そんな中でロンドンにあって英国民を鼓舞し続けたジョージ六世の評価が上がったのは当然と言えば当然でしたが、さらには王妃や子供たちを大切にする理想的な家庭の夫であったことも、「良き王」として英国民の尊敬を集める理由となったのでした。
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