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No.20001 スターリングシルバー MADE IN ENGLAND シャープペンシル SOLD もともと4本ありましたが完売しました。
長さ 9.15cm、重さ 7.5g、本体ボディー部分の直径 5mm、替え芯の直径 1mm強、(4本あります-->2本あります-->1本あります-->SOLD)

1930年代に作られたスターリングシルバーの回転式シャープペンシルです。 とてもコンディションのよろしい品で、八十年ほど前に作られた古い銀製品ではありますが、外装面でも、メカニック面でも新品同様と言ってよいでしょう。

写真二番目と三番目は、デイビット・スーシェ 主演のポワロシリーズの 『Cards on the Table(邦題:ひらいたトランプ)』の一場面ですが、ここで使われている筆記具と同じ品になります。 ポワロシリーズは時代考証のしっかりした作品なので、写真の銀鉛筆が1930年代の作である傍証にもなろうかと見ています。

ボディーの部分は滑り止めを兼ねた網目模様の装飾が効いており、光の反射が綺麗です。 この網目模様ボディーの上方で、直方体つまみの下方には、素材がスターリングシルバーであることを示す「STERLING SILVER」の刻印と、「MADE IN ENGLAND」の刻印があります。

長さは10センチほど、携帯に優れたサイズです。 スターリングシルバー製で、重さは7.5グラムありますので、手にしてみると、サイズに比してけっこうな重さを感じます。 銀の質感が心地よく、一度お使いいただくと、お気に入りの銀製筆記具になるだろうと思います。

もともとは木製収納ケース入り四本セットで求めたもので、なぜ四本なのか、このシルバーアンティークの背景を調べておりましたが、いろいろと分かってきました。 写真のシルバーは1930年代にトランプのブリッジをするとき、四人のプレーヤーが手元で点数を記録する用途で使われた銀製鉛筆です。 

ブリッジ用の専用銀製筆記具ということで、カードゲームが終われば、この銀製鉛筆も収納ケースに仕舞い込まれて、日常使いされてきたわけでもなく、総じて使用頻度が少なかった為に、良好なコンディションを保って現在に至っているものでありました。

『Cards on the Table(邦題:ひらいたトランプ)』の一場面では、テーブルを囲んで四人のプレーヤーがブリッジをしています。 背中を向けた手前の男性の左に紙と鉛筆が置いてあるのが見えます。 左の女性の手元の向こう側にも紙と鉛筆が見えています。 同様に、都合四人のプレーヤーの手元には、記録用の紙と鉛筆が備えてあります。

ブリッジにおいては、四人のプレーヤーがそれぞれ手元で点数を記録しながら、ゲームを進めていくのが正式なようです。 なるほど、1930年代にはこんな風に使われていたのかと、納得がいきました。

アガサ・クリスティーのポワロシリーズには、たびたびトランプの場面が出てきますが、トランプといえば、いつもブリッジで、ババ抜きや七並べをしてるシーンはありません。 ちょっと思いつくだけでも、『Cards on the Table』以外に、『The King of Clubs』や、『Problem at Sea』でも、ブリッジの場面があったと思います、実際にはもっと多いかもしれません。 

こんなあたりにも、イギリス人とブリッジの深いつながりが見てとれます。 ポワロの扱う犯罪は、上流階級の知的な犯罪が多いわけですが、そこで描かれている世界を見ていくと、イギリスでは社交のたしなみとして、ブリッジが果たしてきた役割が少なからずあったのだろうと理解できます。

デイビット・スーシェ のポワロシリーズは1930年代のイギリスが舞台になっており、時代考証のしっかりした作品としても有名です。 アンティーク ファンとしては、そうした時代考証の観点から、この映像作品を見る楽しみも大きいわけです。 

みなさんにも 『Cards on the Table(邦題:ひらいたトランプ)』を見ていただくことをお薦めしたいと思いますが、こういう状況の下で使われた品だったと分かってくると、高価な純銀製であることにも納得がいくなと思って眺めております。

作中でポワロの台詞に「All that is known is that he is one of the richest man in London. 」とありました。 ブリッジが行われ、事件が起こった邸宅は、ロンドンでもそうとうに裕福な人のお屋敷という設定。 そういうマナーハウスで1930年代にブリッジが行われた際に使われた銀製鉛筆は、こういう品だったとお考えいただいて間違いないでしょう。

英国ならではのスターリングシルバー素材で、今でも昔と同様に作られ続けている構造、そして、写真の品は八十年ほど前の作ですので、正式なアンティークとなる区切りの一世紀も見えてきました。
Very Britishな銀と思います。

スターリングシルバー MADE IN ENGLAND 回転ョシャープペンシル













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