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No. 19374 英国国教会 コモン プレイヤー & ヒムス 1920年代 ケンブリッジ大学出版局
本のサイズ 11.8cm*7.8cm*1.8cm、重さ 159g、ページ数 : Common Prayer 334ページ、HYMNS 247ページ、1920年より少し前の英国製、一万一千円-->8800円

英国国教会のコモン プレイヤー & ヒムスで、ケンブリッジ大学出版局から出ています。 あと少しで百年が経とうという古い本ですが、コンディション良好で綺麗なことはグッドポイントです。 本は二部構成となっており、前半部分のコモンプレイヤー(Common Prayer)とは英国国教会のお祈りに使うものです。 後半部分は教会での礼拝に使う聖歌集であるヒムス(HYMNS)になっています。 

興味深く眺めたのは、写真五番目にある26年分のキリスト教 行事カレンダーです。 まず、1920年から1945年まで掲載されていますので、この書物が作られたのは1920年より少し前と推定できます。 

英吉利物屋で扱う古い銀製品ではデートレターを判読することで製作年が分かるものですが、写真のコモン プレイヤー & ヒムスの場合には、デートレターはなくとも、他の手掛かりを探っていくと1920年より少し前の英国製と分かることは、このアンティークを興味深いものにしているように思います。

詳しく見ていくと、例えば右から六列目の「EASTER DAY」、イースター(=復活祭)とは、キリストの復活を祝う祭日で、キリスト教にかかわる人々にとっては、クリスマスに次ぐ重要な行事になります。 よくカレンダーの日付を見ていくと、イースターデーは年によってかなりのばらつきがあります。 例えば1940年のイースターは3月24日なのに、1943年のイースターは4月25日といった具合です。 キリスト教の復活祭とは年によって一ヶ月以上もズレが起こる行事なのです。

イギリスにおけるイースターは、クリスマス休暇以来の大型連休であって、普段は離れて暮らしているファミリーが実家に集まって一緒に過ごすことが多いようです。 そういう重要なお休みが、年によって一ヶ月ものブレが起こるというのは、どうも不思議な感じがいたします。 どうしてこんなことが起こるのかというと、イースターの定義が、「春分後の最初の満月の次の日曜日」と言うように、月の満ち欠けを絡めたややこしいものになっているからです。 カレンダーの一ヶ月と月の満ち欠けにズレがあるので、最大で一回りにあたるほぼ一ヶ月のブレが生じてしまうわけなのです。

ヒムスの目次を見ると、Advent, Christmas, Epiphany (東方の三賢人がベツレヘムで誕生したキリストを来訪したことを祝う日で1月6日、クリスマス後の12日目に当たり、Twelfth Dayとも言う), Easterなど一年間の行事毎で、英国の人々の暮らしの根っこになっている部分が分かって楽しめます。

写真二番目では縦長なクロスと「IHS」の飾り文字が見えています。 これは IHS=Iesus Hominum Salvator=Jesus Savior of menという意味で、日本語にすれば「イエス、我らの救世主」となります。

元々はギリシャ語でイエスを表す「IHΣ」に由来していますが、ギリシャ語からラテン語経由で英語に伝わってくる途中で、Σシグマの文字が誤記されて、「IHS」と伝えられたとのこと。 さらにはその後になって再解釈が加味されて、Iesus Hominum Salvator(=Jesus Savior of men)にまで、意味合いが付け足されていった経緯があり、メッセージ性を帯びる記号となって、今日に至っています。

英国国教会 コモン プレイヤー & ヒムス 1920年代 ケンブリッジ大学出版局(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

英国国教会 コモン プレイヤー & ヒムス 1920年代 ケンブリッジ大学出版局(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

英国国教会 コモン プレイヤー & ヒムス 1920年代 ケンブリッジ大学出版局(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

英国国教会 コモン プレイヤー & ヒムス 1920年代 ケンブリッジ大学出版局(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

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