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No. 19130 シルバーフレーム エリザベス二世 戴冠記念 5シリング エナメルワーク コイン ペンダントヘッド
直径 4.0cm、留め具を含む縦の長さ 5.2cm、最大厚み 4mm、全体の重さ 35g、5シリングコインは1953年鋳造、11,800円

エリザベス二世 戴冠記念 5シリングコインにエナメルワークを施したペンダントヘッドとなっています。 エナメルの反射光に奥行きが感じられて、装飾性が高いので、全体として美しいペンダントヘッドに仕上がっております。 カバーガラスに覆われているので、いつまでもエナメルの美しさを保てるのもよいでしょう。 エナメルコインを取り巻くフレームの下方には、フレーム素材が銀であることを示す「SILVER」の刻印があります。

ハ真一番目と二番目に見えるように、表サイドはエリザベス女王の乗馬pです。 裏面は写真O番目のようなデザインで、中央には王冠、l方向に楯状飾りがあって、スリーライオンの盾が二つ、ライオンランパントの盾が一つ、そしてハープの盾が一つあります。 さらに盾の間に見える四つの草花は、イングランドの国花であるバラ、スコットランドのアザミ、ウェールズのリーク、北アイルランドのシャムロックであり、lつ合わせてイギリス連合王国の統合を象徴しています。

シリングとは1971年に廃~されたイギリス旧通貨制度における貨幣単位で、今ではもう存在していません。 

1971年までのイギリスでは、1ポンド=20シリング=240ペンスでありました。 こんな十進法でない通貨体系で千年ほどやってきたイギリスであったのです。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計Zするのも億劫です。 

そんな背景があって、今ではもうないシリングという言葉の響きにノスタルジーを感じるイギリス人が多いようです。

エナメルワークとは日本語で言うと「オ宝焼き」のことで、金属にガラスソv袒薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後、オ宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア梠繧フ英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、「英国アンティーク情報」欄の「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治政府の岩倉g節団」後半に解説がありますので、ご参考まで。 

英吉利物屋ではヴィクトリアンの品を扱うことが多いので、五十年前というと新しい感じもするのですが、当桙振り返ってみると、やはりずいぶんと古い歴史の中の時代であることが分かります。 

この品が作られた当桙フ英国相は、第二次大戦を勝ち抜いたあのチャーチル相です。 そしてこの頃にロンドンで起こったのが有名な「Great Smog」でした。 1952年125日、ロンドンでは折りからの寒さの中、風が止み濃い霧がたち込み始めました。 この霧はそれから3日間ロンドンを覆うことになります。 寒さで人々が石炭ストーブをどんどん焚くものですから、霧の原因となる微粒子核が撒き散らされて、霧がどんどん深くなっていったのです。 ものすごい霧で、2〜3メートル先はおろか、伸ばした自分の指先さえはっきり見えなかったと伝えられています。 映画館や劇場でもドアの隙間から霧が入り込んで、スクリーンや舞台が見えず、キャンセルが相氓ャました。 そして濃霧による交通事故や不清浄スモッグによる呼吸器障害のために、ロンドンで四千人もの死メが出る大惨魔ニなったのです。 

昔からロンドンと言えば、霧の街として有名でしたが、「Great Smog」は長いロンドンの歴史の中でも最悪の出来魔ニなりました。 そしてこれを契機に数年後の1956年には清浄空気法が定められることとなったのです。 石炭ストーブ梠繧フ「Great Smog」のエピソードは今日では考えられない出来魔ナすが、この品が作られた時代に思いをいたす面白い手掛かりにはなるでしょう。

イギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1シリング」=「12ペンス」になります。 

昔、サマセット・モームの「撃ニ六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数嘯ナもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃~され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。 

この十二進法梠繧フ名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに、気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと翌ソ着かないのでしょう。

このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン梠繧フイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服メが「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。

シルバーフレーム エリザベス二世 戴冠記念 5シリング エナメルワーク コイン ペンダントヘッド

シルバーフレーム エリザベス二世 戴冠記念 5シリング エナメルワーク コイン ペンダントヘッド


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