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No.19118 ブラス製 グッドラック ホースシュー ドア ノッカー
ホースシューの縦の長さ 9.8cm、最大横幅の長さ 8.0cm、ホースシューの厚み 0.7cm、重さ 265g、八千円

ブラス製 グッドラック ホースシューのドア ノッカーです。 

モチーフのホースシューは、セント・ダンスタンの故事にまつわるものでしょう。
ホースシューはイギリスではグッドラックの意味があって人々に好まれます。 縁起のよさが好まれ、パブの看板に蹄鉄三つが描かれて、写真三番目のような「Three Horseshoes」なんていう名前のパブもありますので、「ホースシュー=幸運」の図式はイギリス人の暮らしに深く根ざしていることが分かります。

ついでながら、シャーロック・ホームズの『白銀号事件』を読んでいましたら、ホームズの「I think that I shall put this horseshoe into my pocket for luck.(このホースシューは幸運があるように、私が貰っておきましょう。)」という台詞に出会いました。 この探偵小説は1892年12月に発表されていますので、少なくともヴィクトリアンの頃には、「ホースシュー=グッドラック(幸運)」の連想があったことが分かります。 シャーロック・ホームズ シリーズには、アンティークなヴィクトリアンの暮らし向きが読み取れる場面が豊富なので、注意して読むと面白いようです。

それでは、なぜホースシューが好まれるようになったのか。 ヴィクトリア時代に書かれた『The Horse Shoe, The True Legend of St. Dunstan and The Devil』 という書物には、ホースシューにまつわる伝説が書かれています。 その概要をご紹介してみましょう。

後にカンタベリー大司教になったセント・ダンスタンは、ハープを弾くのが上手で鍛冶屋の仕事もこなす器用な人でした。 ダンスタンが夜にハープを奏でていると、デビルがやって来て邪魔をするようになりました。 デビルの悪戯に困ったダンスタンは一計を案じて、蹄鉄を取替えに来たデビルの蹄足にホースシューの留め釘を深く打ち込んだのでした。 

痛がるデビルにダンスタンはこう言います。 「これからは礼拝の邪魔をしないこと、音楽を奏でる邪魔をしないこと、そしてホースシューを掲げた家には寄り付かないこと。 これを守るなら直して進ぜよう。」 デビルはダンスタンと契約をかわし、以降はホースシューが魔除けの役割を果たすようになり、さらには Good Luck をもたらすお守りとされるようになったのでした。

ホースシューの縁起物には以下のような銀製品もありますので、ご参考まで。
http://www.igirisumonya.com/17167.htm

ブラスのお手入れについては、ブラス専用の磨き液がありますので、ご紹介しておきましょう。 私はReckitt & Colman社のBrassoという磨き液を使っています。 スペイン製ですが、なぜか缶の表には英国王室御用達のQE2マークがあります。 イギリスの方はブラスが好きで、マナーハウスのドアノブ、パブのカウンター、ホテルの調度品等、昔から英国風には欠かせない素材であったことが関係あるのかも知れません。

それから日本でも簡単に手に入るお手入れ用品として、日本磨料工業製の『ピカール』という品もあります。 使い比べてみて、ピカールの方がブラッソより溶剤の濃さが少ないように感じます。 その為か分かりませんが、ピカールはブラス(真鍮)以外にもあらゆる金属に使えるのみならず、プラスチック、象牙、管楽器等のお手入れに使用可能と書いてありました。 ブラッソの用途は金属の中でもブラス、コパー、ピューター、クロムに限定されますので、ピカールの方が用途が広くて便利かも知れません。

ブラス製 グッドラック ホースシュー ドア ノッカー






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