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No. 19055  ヴィクトリアン スターリングシルバー サービングスプーン with ゴールドギルト
長さ 19.4cm、重さ 42g、ボール部分最大幅 4.25cm、ボールの深さ 1.1cm、柄の最大幅 1.7cm、1900年 ロンドン アセイオフィス、Robert Stewart作、

だるま型のボール部分は珍しいシェイプで、イギリスではあまり見かけないタイプと思います。 42グラムと持ちはかりがあって、柄幅が広くて安定感があり、さらに柄先レリーフのふっくら感もいい感じです。 だるまのフォルムとあいまって、見ていてなごめるシルバーサーバーに仕上がっています。 

手にした感じでは、大きめサイズでボール部分の長さが7センチあり、ボールも深めに作られていることから、使い勝手のよいサービングスプーンと思います。 

ボール部分に金色がかかっているのは、ゴールドギルトといってシルバーの上にゴールドを施す手法です。 サービングスプーンではフルーツを取り分けることがありますが、果物の酸味がシルバーには良くないので、酸に強い金加工が施されており、当時の高級品では珍しくない手法になります。

作られたのは今から百十以上前の1900年、19世紀最後の年にあたり、またヴィクトリア時代最後の年でもあります。 ちょうど夏目漱石がロンドンに留学していた頃でもあります。 かなり古いアンティークであることがお分かりいただけると思いますが、コンディション良好なヴィクトリアーナであるところもポイントです。 おそらく、あまり使われることなく、現在に至っている銀と思います。

写真三番目にあるように、柄の裏面にはブリティッシュ ホールマークが刻印されています。 ホールマークは順に「Robert Stewart」のメーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1900年のデートレターです。

シルバースミスの「Robert Stewart」はスコットランドの銀工房で、ヴィクトリア時代の終り頃にはグラスゴーの中心街にあたるブキャナン通りにお店を構えておりました。 シルバーウェア以外にもゴールドジュエリーやシルバージュエリー、さらにはウォッチや置時計も扱う大きな工房で、1920年代にはエジンバラにも支店を出しています。

十九世紀の「Robert Stewart」はヴィクトリア女王御用達のシルバースミスでありました。 英国王室はスコットランドの北東部にあるアバディーン方面に離宮があり、ヴィクトリア女王のお気に入りで、よく滞在されていたので、特に滞在中には女王の御用がしばしばあったのでした。

現在の「Robert Stewart」は、1980年代に他の宝飾店に買収されたものの、スコットランドのプレミアム ブランドであることから、そのブランドは維持されてグラスゴーに店舗があります。

写真のアンティークシルバーは一世紀以上前の「Robert Stewart」でありますが、こうした品を持たれる方は、そのうちに、グラスゴーの現 「Robert Stewart」に行ってみるのも興味深いだろうと思います。

以下は現在の「Robert Stewart」についてです。
http://www.argyll-arcade.com/robert-stewart.htm

写真の銀サーバーはヴィクトリアン アンティークであるという古さがポイントの一つになっておりますが、ちなみにヴィクトリアンの物品を示すアンティーク専門用語に「Victoriana」という言葉があります。 ヴィクトリア時代は1837年から1900年までの六十余年の長きにわたり、英国の国富が大いに伸びた時代なので、アンティークコレクターにもヴィクトリアーナ専門という方が英国には結構いらっしゃるようなのです。

この品が作られた当時の時代背景については、英国アンティーク情報欄にあります「14. Still Victorian」や「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」もご参考まで。 

ヴィクトリアン スターリングシルバー サービングスプーン with ゴールドギルト







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