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No. 19054 クレッセント モチーフ シルバー ペンダントヘッド
縦の長さ 5.5cm、重さ 5g、ハートの横幅 2.1cm、ハート飾りの厚み 1mm強、玉飾りの直径 5mm、一万四千円

月に星モチーフのペンダントヘッドで、ハート飾りは1ミリ強の厚みがあってしっかり出来ています。 銀の玉飾りが三つに、中ほどのハート部分、そして上部の留め具部分と三段構造で、揺らゆら感があって楽しめます。 銀の玉飾りもハンドメイドであって、味わいがあります。 ホールマークはありませんが、細工の様子や金属の風合いからみて、素材はシルバーで間違いないでしょう。

三日月は花札の絵柄に代表されるように、ジャポニスムの主要なモチーフでありますが、同時に西欧文化にあっても Crescent Moon(三日月)はギリシャ神話のアルテミスや、ローマ神話のディアーナといった月の女神を象徴する古くからのモチーフでもありました。

近代に入ってからはイスラム諸国で国旗のデザインに三日月を採用することが多くなって、三日月とイスラムの関係が深まったといわれます。 でもまあ、考えてみると、月は地球上のどこからでも見えるわけで、歴史上どこの文化圏にあっても、月を尊ぶ傾向はあったと思います。 ところが国旗にデザインとして採用されると、その影響力は強いものになりやすいのです。

同じような事例はイングランドのセント・ジョージ旗にも見られます。 セント・ジョージは古代ローマ時代の殉教者で、そのドラゴン退治伝説は元々はグルジアに起源があり、キリスト教徒にとっては共通のバックグラウンドになります。 歴史を紐解けば、遠く遡ること五世紀のフランク王国メロビング朝をはじめとして、いろいろな国々で守護聖人として大事にされてきました。

ところがヴィクトリア時代のイギリスはセント・ジョージを好んで、金貨や銀貨のデザインとして採用したり、白地に赤十字のセント・ジョージ・クロスをイングランドの国旗として採用したりしてきたので、今では他の国々より一歩抜きん出て、自由の女神がアメリカを象徴するかのように、セント・ジョージ=イングランドのような感じになって現代に至っております。

サッカーのワールドカップで、セント・ジョージ・クロス旗で応援されるイングランドチームを見せつけられると、やはり他の国は一歩引かざるを得ないような雰囲気でしょうか。

三日月(= Crescent Moon)モチーフを見て思うことを書いてきましたが、やはり我々のバックグラウンドは日本ですから、三日月との関係で私の好きなお話を一つご紹介しておきましょう。

『禅と日本文化(鈴木大拙著)』P.154

宝蔵院流の人々が使う一種の「やり」がある。 その流派の創始者である宝蔵院という寺の和尚によって発明された。 その槍は穂のなかほどから三日月形の枝が出ている。 この余計な付属物をつけようという考が、和尚の頭に浮かんだのは次のような次第であるという。

夜になると寺の庭で槍を使って身を鍛えるのが、彼の習慣であった。 このさい彼の心にかかる事は槍術の熟達ということではなかった。 彼はすでにその道では専門家であった。

彼が実現したいと思ったのは、宝蔵院その人と槍、人と武器、主体と客体、行動者と行動、思想と行為の完全なる統一化の存する心境であった。 かかる統一化は三昧(サマジ)と称され、その実現こそ、この僧侶―槍術家が日々錬磨する目的であった。

宝蔵院は槍をしごいているうち、ある晩ふと、池中にきらめく彼の槍の穂先と新月の影の交わるのを認めた。 このパーセプションが機会となって、彼は自分の二元的意識を破ることができた。

伝説によれば、この体験の後、彼は槍の穂先に三日月を付加したという。

クレッセント モチーフ シルバー ペンダントヘッド

裏面の様子


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