英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 18845 Air Raid Precautions スターリングシルバー バッジ
縦の長さ 3.85cm、最大横幅 2.6cm、重さ 10g、本体の最大厚み(留め具含まず) 2mm強、1936年 ロンドン、一万二千円

Air Raid Precautions とは戦時の空襲監視員あるいは防空指導員のことです。 デートレターから製作年が1936年と分かります。 空襲に備えるべく、警官や予備役の人たちを中心に組織されたと聞きました。 1936年は英国にとってまだ戦時下ではないのですが、このとき既にARPが組織され備えを始めていたことが分かります。 アンティークから歴史の検証が出来るのはおもしろいことだと思うのです。

裏面にはブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されています。 写真二番目で見えるように、ホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドンレオパードヘッド、そして1936年のデートレターになります。

こういう品であってもホールマーク シルバーで作られているところが、余裕があると言うか、こだわりがあると言うか、戦争といっても切羽詰った感じが伝わってこないなあと思いました。

近所のゴルフ場でシニアゴルファーのおじいさんからお話を伺いました。 そのゴルフ場は1935年にオープンして七十年以上の歴史があるのですが、そのおじいさんが子供の頃に初めてプレーしたのが1942年だったそうです。 当時は戦争中でガソリンは貴重だったので、芝刈り用のトラクターが使えず、羊を放牧してフェアウェーの芝の長さを調整していたとのこと。 「たまに羊にボールが当たって大変だったよ。」とおっしゃっていました。

そのおじいさんはイギリス貴族というわけではなくて、いわゆる庶民にあたる方と思いますが、イギリスでは戦争中も普通の人たちがゴルフをしていたのかーと。 ガソリン不足で芝刈りが大変だったのは分かるけど、日本のおじいちゃん、おばあちゃんから聞いてきた戦争の苦労と比べると、どうでしょうか? 戦争というものは、勝つ側と負ける側では、やはり桁違いな相違があるものだと感じるきっかけになるシルバーアンティークでした。

以前に扱った製作年の違う ARP スターリングシルバー バッジをお求めいただいたお客様から、以下のような到着確認メールをいただきました。 アンティークを手にした時に感じるものがよく伝わってきて興味深いことから、皆様にもご紹介させていただきます。

『商品無事到着いたしました。毎度のことですが、実物はネットの画像より遥かに良いので手にとって驚いております。(あたりまえですが)技術の素晴らしさはもちろんなのですが、これは道具の手入れが万全なればこそ出来る技だなぁと…そんなところまで見えてくる素晴らしい品です。バッヂは型押しでしょうが、お国を護る人々の誇りのようなものを感じます。このバッヂをツイードジャケットの下襟に着けて、洗面器のようなヘルメットを被り双眼鏡片手におとっつぁん方がドーバー海峡上空を注視していたのでせう。しかし、戦時中貴金属を国をあげて接収してしまう国があるかと思えば支給してしまう国もあるのですな。ながなが失礼いたしました。まずは、到着の御報告まで。有難うございました。』

Air Raid Precautions スターリングシルバー バッジ



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