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No. 18554 王冠と大鳥 クレスト(紋章) メタルワーク ペンダントヘッド with シルバープレート
直径 3.7cm、最大厚み 2.5mm、クレスト部分の縦長 1.7cm、重さ 8g、1930年代の英国製、七千五百円

中央には王冠をかぶった盾状飾りがあって、両翼を広げた鳥の紋章となっています。 コパーないしはブラス素材にシルバープレートが施されているものと思います。

紋章はコートオブ アームズと言うのが一般には正式です。 クレストという言葉もありますが、クレストとは紋章の天辺にある飾りを言います。 ただし、紋章のすべてを描いて使うのは、大掛かり過ぎるので、その一部をもって紋章とされることも多く、中紋章とか大紋章という言い方もあります。 しかし、その区別は厳密でないので、紋章の一部をもってコートオブアームズという言い方をしても差し支えありません。

ちなみに、このコート オブ アームズの体系化や研究について、中世ヨーロッパにおいては、多くの国々に紋章を管理する国家機関がありました。 今ではなくなっているのが普通ですが、面白いことにイギリスでは紋章院というのがまだ活動を続けています。 イギリスの紋章学(Heraldry)は九百年ほどの歴史を持っており、大学以上の高等教育で学ぶ歴史学の一分野となっています。 

コート オブ アームズ(=紋章)を使っていた人々とは、どういう階層の人たちであったのか、考えてみました。

今日のイギリスは品のよい国のように見られることが多いですが、歴史を紐解きますと、節操のないことで名高い時代も長くありました。 キャプテン・ドレークは世界を航海して略奪をきわめて、当時の国家予算に匹敵するほどの金銀財宝を奪って帰ってきたので、エリザベス一世から叙勲を受けました。 お金がすべてという傾向は、紋章院においてもあったようです。

紋章学や紋章院の働きについて書かれた本が、『HERALDRY IN ENGLAND』(Anthony Wagner著、Penguin Books、1946年刊)です。

この本によりますと、紋章院が認めてきたコートオブアームズは四万あるとのこと。
一方で英国の王侯貴族にあたる家柄は千足らずとなっています。

この数字のバランスから分かることは、第一にコートオブアームズは王侯貴族だけのものではないこと。 第二に、そうは言っても、代々伝わるコートオブアームズがある家系は、英国の中でも数パーセントに過ぎず、その意味で日本における家紋とはだいぶ違っていること。

産業革命が進行して、新興富裕層が厚くなってきたのがヴィクトリア時代の初め頃になります。 当時の富裕層はコートオブアームズを求めましたし、また求めれば手に入る性質のものであったようです。

王冠と大鳥 クレスト(紋章) メタルワーク ペンダントヘッド with シルバープレート

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