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No. 18388 9カラット ローズゴールド クロス with ピアストワーク クロス・パティー
クロスの縦 4.1cm、横 2.6mm、厚み 0.5mm、四隅の小クロスの縦横 5mm*5mm、エドワーディアン頃の英国製、一万八千五百円

裏面には9カラットゴールドを示す「9C」マークと、メーカーズマークが刻印されています。 素材は0.5ミリほどでそれほど厚くはありませんが、9カラットローズゴールドの温かみのある色合いがこのアンティークのよさと感じます。

透かし部分はそれぞれがまたクロスになっていますが、これらはクロス パティーと呼ばれ、クロスの中央から四隅までが等距離で、四つのアームは内側が細くて、外側に向かって太くなる特徴を備えています。 クロス パティーにはいくつかのバリエーションがあって、写真のクロスの場合は、アームの四隅が凸面状にカーブしていることから、詳しくはアリセータイプのクロスパティーといいます。

遠い昔を遡ってみると、古くは12世紀にテンプル騎士団がクロス パティーを旗印に使いました。 ポルトガルを旅した時、トマールという街にユネスコの世界遺産となっているテンプル騎士団のお城があって、クロス パティーを見たのを覚えています。

四隅のピアストワークは手間のかかったハンドワークで、切面には糸鋸を使ったギザギザ跡が残っています。 ルーペを使って詳細に調べてみると、糸鋸を引いた跡も繊細で、細工のよい品であることが分かります。 手仕事で糸鋸を引いていくのですから、職人さんの優れた技術と多くの時間がかかります。 

現代のシルバースミスの方からお聞きしたことがありますが、作業にかなりの時間を要するこうした透かし細工は、現代の労働コストが上昇した英国では、大変なお金がかかり、もはや出来ないとのことでした。 そして、そもそもこれだけの技術を持った職人さんが現代ではいなくなっているのです。

9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外には銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドと呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドにおいてもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあってVery Britishな装飾素材と思います。

『私はキリスト教の信仰者ではありませんが、何故かクロスにとても惹かれます。』というお便りをいただきました。 

英吉利物屋ではアンティークのクロスを扱っておりますので、関心のある方から、そういうお話があるのは珍しいことではないかも知れません。 けれども、クロスに惹かれるという話はこれが初めてというわけでなく、多くの方からお聞きしてきましたし、私もそう感じることがあるので、なぜだろうかと考えたくなるのです。

英国アンティーク情報欄にあります「40. 何故かクロスにとても惹かれます。 その理由を英吉利物屋風に考えてみました。」をご覧いただければ幸いです。

9カラット ローズゴールド クロス with ピアストワーク クロス・パティー

裏面の様子

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