英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ
No. 18307 ペニンシュラ & オリエンタル スチーム
ナビゲーション カンパニー 三角小皿 with
エナメルワーク フラッグ & MADE IN ENGLAND
刻印 一部 SOLD
長さ 15.7cm、最大幅 6.8cm、高さ 1.2cm、重さ
38g、エナメル細工のP&O旗の縦横 1.0cm*1.4cm、1960年代
英国製、一枚 三千五百円 (四つあります-->三つあります。)
ステンレススティール製の三角トレーで、凝ったエナメル細工を特徴とする船会社
P&O旗がワンポイントになっています。
エナメル細工のP&O旗は、厚さが1ミリほどもあるブラスの枠に赤白青黄のエナメル細工を流し込んだもので、その作り方そのものが古きよき時代の産物であり、味わい深い品となっているように思います。
写真二番目で見て、裏面の手前部分には「MADE
IN ENGLAND」の刻印があります。 もう一列書いてあるのは素材を示す「STAINLESS
STEEL」の刻印です。
なお、「P&O」とは、1822年創業のイギリスの船会社
Peninsular and Oriental Steam Navigation
Company を意味しています。
ヴィクトリアン中期における P&O社の新聞広告の事例を以下でご紹介しています。 ご参考まで。
31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞
旅客機が登場する前の時代においては、例えばイギリスからアメリカに向かう大西洋航路を行き交った豪華客船オーシャンライナーは、映画
『タイタニック』を見るまでもなく、国と国を結ぶ交通の花形でありました。
考えてみると、日本航空や全日空のなかった時代のことですから、文部省の官費留学生として英語研究の為にイギリス留学した夏目漱石などは、香港、シンガポール、インド洋、スエズ運河、地中海を経由して、フランス上陸後は鉄道を使って、一ヶ月半ほどかけてイギリスまで旅しております。
百年前の船会社と言うのは、やっぱり格好いい、憧れの職場だったことでしょう。 当時の船会社は、海外旅行をする人々を運ぶ旅客輸送と、船荷の輸送を合わせて行う会社であって、例えて言えば、日本航空と日本郵船と日本通運が一緒になったような役割を果たしていました。
旅客輸送を航空機に取って代わられる以前の、船会社のステイタスを想像してみることが、写真のアンティークを見る上で役に立ちます。 ノスタルジーを感じさせてくれる客船関連のアンティークとでも言いましょうか、私はこういう品が好きなので気になります。 旅が好きなもので、ノスタルジックな船旅には特に興味を惹かれます。 イギリスのサザンプトンからフランスのノルマンディーまで船でたびたび渡りました。 ドーバー海峡をフェリーで船旅というのも、時間はかかるけど味わいがあって楽しいものです。 そういえば、日本では横浜港からロシアのナホトカまで船旅したこともありました。
英米を結ぶ大西洋航路のオーシャンライナーの勢いがあったのは1930年代までで、その後は航空機に押されて下り坂になっていき、1960年代にはついに消えてしまいました。 それどころか、イギリスのサザンプトンからフランスのノルマンディーまでの、以前に幾度か使った短距離航路も今ではなくなってしまいました。
ついでながら、旅客機について一つ思うこと。 1980年代には例えばルフトハンザの食事用スプーンやナイフやフォークは、エコノミークラスに到るまですべてスティール製が供されていたことを覚えています。 今ではコスト削減で、使い捨てのプラスチック製が普通でしょう。 それどころか、かつてオーシャンライナーを駆逐した航空会社そのものが、一国に一つの航空会社が必要なのかどうかまで問われる時代になってきました。 ナショナル・キャリヤーなんて言葉があったのは今は昔という感じで、欧州各国の航空会社は合併が進んでいます。
客船や旅客機で使われた品の一つから、ノスタルジックな昔を思い、世の中の動向についても、いろいろと考えてみることが出来るのは楽しいことと思います。
旅の手段と言えば、船、飛行機、鉄道、自動車でしょうか。 旅関連のアンティークで、客船もの、航空機もの、鉄道もの、自動車ものコーナーを作ってみたい気がしています。
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