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No. 18270 ヴィクトリアン スターリングシルバー シンブル with ブリティッシュ ホールマーク
下部の最大直径 1.7cm、上部の直径 1.3cm、長さ 2.25cm、重さ 6g、1900年 バーミンガム アセイオフィス、一万六千五百円

作られてから百年以上になろうというスターリングシルバー シンブルで、上部はドット状のオーソドックスデザインとなっています。 ヴィクトリアンの作となるアンティーク シルバーです。

このシンブルの優れた特徴の一つは、側面に四つのイングリッシュホールマークが完備していることで、1900年のデートレター、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてメーカーズマークがしっかり深く刻印されております。

ご質問をいただき、これまでに見知ったことなど合わせて、指貫について、私なりに考えをまとめてみました。

シンブル(指貫)には、遠い昔ですと、16世紀には英国の女王エリザベス一世が、侍女たちに褒美としてシンブルを授けたというようなエピソードがあって、王様から下賜されるなにかありがたい品というイメージがついてきた事情があるようです。さらには、銀という素材には、それ自体が富に通じるラッキー性があります。そんなわけで、イギリスの人たちにとって、これら二つの要素が合わさった銀製シンブルは、とりわけ強いラッキーアイテム性を感じさせる品となっているのではないかと見ています。

それから、指貫がどうしてペンダントヘッドに転用されるようになったかについて、イギリス人のお年寄りから聞いた話がございますので、ご紹介させていただきます。

写真をご覧いただくと、シンブルは表面に粒々状に小さなへこみがあって、お針仕事の際に、針の反対側をこの窪みにあてて、押してやるという使い方をいたします。

長年使っていると、この窪み部分がいつしか貫通してしまって、小さな穴が出来ることが多いようです。

たしかに、アンティークシンブルを探しておりますと、小さな穴のあいたシンブルによく出会います。

この小穴にギリシャ文字のオメガ『Ω』状の金具を付ければ、ペンダントヘッドの出来上がりという訳です。そのお年寄りの言われることには、こういった経緯で、実際に使われていたシンブルが、長年使ってきた愛着と、そのラッキーアイテム性を尊ぶ気持ちがあいまって、ペンダントヘッドに転用されるようになったのだろうとのこと。

ところが、現在では、シンブルを使ったお針仕事は、昔と比べて稀であり、小穴が出来るほど使い込むことは、さらに稀でありましょう。そんな事情で、シンブルをすぐさまペンダントヘッドに加工する需要も起こってきているように思います。

調べましたところ、銀金リングのサイズ直しをやってくれる宝飾店に頼めば、銀の指貫にペンダントヘッド用の銀円環を取り付けてくれるようです。

アンティークシンブルを探す者といたしましては、上記で申し上げたような穴あきシンブルはアンティークとして完品でないことから、求める対象にならないことが多いものです。
逆に言うと、完品としてのアンティーク銀製シンブルに出会うことの難しさを感じる次第です。

そもそも、指貫のラッキーアイテム性は、指貫そのものに由来するもので、指貫のペンダントヘッドがラッキーだということではありません。

その気になればいつでも、ペンダントヘッドに加工転用は出来ますので、とりあえずはそのまま持っておかれるのが、よさそうな気はいたします。

ヴィクトリアン スターリングシルバー シンブル with ブリティッシュ ホールマーク




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