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No.18216 アイビーモチーフ 両面エングレービング ヴィクトリアン スターリングシルバー ブレッドフォーク
長さ 15.6cm、重さ22g、最大横幅 3.8cm、1898年 バーミンガム アセイオフィス、二万五千五百円

今から百年以上前、ヴィクトリア時代の終り頃に作られたスターリングシルバー ブレッドフォークです。 写真一番目と二番目は表側の様子で、写真三番目と四番目は裏側の様子になります。

横幅があって、彫刻面が広くとれるので、優美なエングレービングがたっぷり楽しめる作りになっています。 ブレッドフォークの彫刻は表側のみの品が多いのですが、裏面にもしっかり彫刻が施されているのは、この品のよい特徴でしょう。

アイビーモチーフ 手彫りエングレービングの背景部分には、写真で見て、色合いが濃くなっているところがありますが、これは微細な彫刻線で影をつけた細工で、1ミリ間隔に七、八本の彫刻線が刻まれている様子が、マグニファイインググラスでご覧いただくと分かります、かなり細かなヴィクトリアンの職人技と言えるでしょう。

19世紀後半からしばらく、ヴィクトリアンやエドワーディアンのイギリスでは、当時の自然主義的傾向にアイビーがよくマッチした為、バルコニーやガーデンファーニチャーに絡まるアイビーが大変好まれました。 アイビーは蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠実ないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 そしていつも緑であることから、Immortality(不滅)や Eternal Life(永遠の魂)を表すクリスチャンモチーフともなっています。

ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代のディナーテーブルでは、ロールパンやスライスパンをサーブするのに優雅なブレッドフォークが使われていました。 テーブルエチケットの変遷につれて、今日の食卓ではブレッドフォークは使われなくなってしまったので、その意味でもまさにアンティークと言えましょう。 

今ではもうなくなってしまったシルバーウェアは昔の時代に思いを馳せるに貴重で、アンティークシルバーの収集家にとってはコレクターアイテムともなっております。 現代ではブレッドフォークでパンをサーブすることはあまりないと思いますが、それはそれ、用途を変えて、パーティーの時などにオードブルサーバーとして使ってみたら、ゴージャスで話題性のあるアンティークとなって楽しいでしょう。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 この銀のブレッドフォークが作られたのは1898年ですから、正式な‘アンティーク’に余裕で昇格している品ということになります。 

この品が作られた頃の時代背景については、「英国アンティーク情報」欄の「14.Still Victorian」の解説記事もご参考ください。

アイビーモチーフ 両面エングレービング ヴィクトリアン スターリングシルバー ブレッドフォーク



裏面の様子






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