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No. 18015 鹿の角 ハンドル ステンレススティール ブレード サービング ナイフ
長さ 33.6cm、重さ 157g、柄の最大幅 2.8cm、柄の最大厚み 2.3cm、英国製 シェフィールド、

長さが33.6センチと、かなり大きなサービングナイフです。 イギリスにおけるオリジナルの用途は、ローストビーフやターキー、あるいはギャモンステーキの塊を切り分けるものです。 普段の使い方としては、パンの塊を切ったり、パーティー用のケーキナイフとしてもゴージャス感があってよいでしょう。

ブレード部分には素材を示す「STAINLESS STEEL」の表示があります。 ブレードとハンドルの取り付けは、これ以上は望めないほど頑丈に出来ています。 

ブレード部分には「FRANCIS HOWORD LTD」と「SHEFFIELD LONDON」の表示もあります。

写真のようなサーバーセットは、食事や料理の分野で、西欧やイギリスの長い歴史背景があって、今に到っているものです。 大きくて豪快な切り分け道具とも思いますが、その一方で、日本の懐石料理などと比べると、やや荒っぽくて粗野な印象もぬぐえません。

こうした印象はシェイクスピア史劇で食事の場面など見ていても、よく感じるものです。 例えば16世紀の食事風景を日英比較したら、日本の方がよほど洗練されていたのではないかと。 おそらく西欧が進歩したのは産業革命以降の波に乗ってからであって、それ以前の西欧は世界の中で先進地域であったとはいえない事情が、食事や料理の文化にも影響を残しているのではと思います。

ヴィクトリア時代の終り頃にロンドンで書かれた漱石日記に、『日本は過去において比較的に満足なる歴史を有したり。』というくだりがありました。 それから百年、二十一世紀の日本はまた先進国のひとつとなっております。 思うに、漱石の言うように、かなり昔の時代にあっても、日本はけっこういい位置にいたのではないかと考えています。

大昔、例えば千年前の国際経済比較研究とか、ないかなあ、あったら読んでみたい。 欧州騎士の時代=鎌倉武士の時代あたりのGDP推計とか。

鎌倉時代の昔というと、スタンダードな統計はもちろんないし、国際間の交渉が少なかったので比較が難しいでしょうが、日本国は世界の中でもけっこう豊かな国であったろうとみています。

13世紀に歴史上世界一の版図を築いたモンゴル帝国(元)が、東西に押し出し、欧州や日本と摩擦を起こしておりますことから、ちょっとした比較が出来ます。

1241年ワールシュタットの戦い
元軍20000人 VS 欧州連合軍25000人(神聖ローマ帝国+ドイツ騎士団+聖ヨハネ騎士団+テンプル騎士団+ポーランド王国)
欧州連合軍はメンツだけ見てると、凄いメンバーのように思えますが、戦ってみたら、大将まで討ち取られ、完敗でした。

1281年弘安の役
元軍140000人 VS 鎌倉幕府軍
嵐の影響があったとは言え、結局は鎌倉武士の完勝でした。
文永・弘安と二度も嵐の影響って、遠征軍はバカじゃないかとも思いますが、作戦能力の良し悪し含めて総合力ですし、結局は簡単に上陸させなかった幕府軍が強かったと言うことでしょう。

二つの戦いを比較してみて、勝敗には欧州騎士、元の兵士、そして鎌倉武士の個々の優劣もあるでしょうが、特に思うのは、当時一つの国で元軍以上の働きが出来るだけの兵力を動員できた鎌倉幕府の実力です。 当時から日本は経済的にも相当な強国であったのではないかと考える根拠になります。

写真の大きなサービングナイフを眺めるうちに、昔の時代の食事や料理文化、そしてその背景となる日欧の経済力の違いについて考えてみました。

鹿の角 ハンドル ステンレススティール ブレード サービング ナイフ



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