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No. 17165 エドワーディアン スターリングシルバー James Dixon & Son サーバー
長さ 13.8cm、最大横幅 4.7cm、重さ 32g、柄の最大厚み 3mm、1901年 シェフィールド、James Dixon & Son作、二万一千六百円

エドワーディアンの時代が始まった年に作られたスターリングシルバー サーバーで、もうすぐ百十年の時を刻もうというアンティークになります。 柄はふっくらした構造で、手にしてみると銀の質感が心地よく、シルバースミスが有名どころというのもポイントです。 

これだけ中抜けした構造でありながら、32グラムと持ちはかりがあるのは、銀がしっかり使われた英国風のシルバーウェアであることを示しています。 フランスのシルバーウェアなどは、どちらかと言うと、華奢でゴージャスな雰囲気の品が多いものですが、イギリス人好みのシルバーウェアは重厚&シンプルという違いが現れていて、興味深く思います。

柄先に向かうデザインは、シンプル系でありながら品のよさが感じられ、James Dixon & Sonのパターンブックにあるデザインの一つと思われます。 アンティークのシルバーウェアを長く使っていくには、こういうタイプがいいという考えもあろうかと思うのです。 磨きぬかれたソリッドシルバーの輝きを楽しむのも、またよいのではと思わせてくれる銀のアンティークです。

お客様から、なるほどと思わせていただいたお話がありますので、ご紹介させていただきましょう。 
『先日北海道では珍しい大型台風が通過し、短時間ですが停電となってしまいました。夜、仕方がないので古い灯油ランプを持ち出し屋内の照明としたのですが、以前手配いただいたティースプーンをランプの光にかざしてみたところ、ほの暗い明るさの中、スプーンのボウル内や彫刻の輝きにしばし見とれました。銀のアンティークには点光源の古い照明が合うようです。また昔の貴族が銀器を重用したのもうなずける気がします。』

私はアンティーク ランプ ファンで、早速に試してみたのですが、シルバーにアンティークランプの灯がほんのりと映って揺れているのを見ていると、なんだか心が落ち着くものでした。

写真二番目に見えるように、柄の裏面にブリティッシュ ホールマークが刻印されています。 ホールマークは順に、「James Dixon & Son」のメーカーズマーク、1901年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールドアセイオフィスの王冠マークになります。 

メーカーの「James Dixon & Son」は1806年創業のシルバースミスで、家族的な経営を持ち味として、職人さんの中には、親、子、孫…と5世代にもわたり、ここで銀製品を作り続けた方もいらしたようです。 シェフィールドで創業後、順調に発展し、1873年にはロンドン進出を果たしました。 1900年頃にはロンドンのお店は5つに増えていました。 また1912年にはオーストラリアのシドニーにも支店を開いています。 1851年のロンドン万国博覧会には多くの作品を出品したとの記録が残っており、その後20世紀初頭にかけて、海外での展覧会にも出展し、パリ、メルボルン、ミラノ等で名声を博しました。 

銀工房は一般に、その創業がヴィクトリア期というケースが多いのですが、「James Dixon & Son」は創業1806年と、ジョージアンの時代にまで遡れる老舗シルバースミスで、評価の高いメーカーの一つと言ってよいでしょう。

この品が作られた頃の時代背景については、英国アンティーク情報欄にあります「14. Still Victorian」の解説記事もご参考ください。 

エドワーディアン スターリングシルバー James Dixon & Son サーバー


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