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No. 16710 キングスパターン スターリングシルバー ハンドル & ステンレスブレード ケーキナイフ  サーバー  SHEFFIELD ENGLAND
長さ 25.3cm、重さ 74g、最大横幅 5.3cm、シルバーハンドルの最大幅 2.5cm、シルバーハンドルの最大厚み 1.4cm、1979年 シェフィールド、一万四千円

スターリングシルバーのハンドルにステンレスブレードが取り付けられたケーキナイフ&サーバーです。 キングスパターンのゴージャス感に加えて、ブリティッシュ シルバーという素材の良さ、そしてステンレスブレードの機能性と、三拍子揃ったナイフ&サーバーと思います。

ハンドル部分のパターンはキングスパターンと呼ばれ、柄先のシェルデザインが重要なメルクマールとなります。 このモチーフは、もともとは12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

ハンドル部分にブリティッシュ ホールマークが刻印されています。 まずハンドルの表側にメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1979年のデートレターが刻印されております。 ハンドル裏面にもスターリングシルバーを示すライオンパサントとシェフィールド アセイオフィスの王冠マークがあります。、

また、ブレード部分にはメーカーズマークと「SHEFFIELD ENGLAND」の表示があります。

写真のケーキナイフ&サーバーは、いくつかの意味でとても英国風な品であると思います。 ブリティッシュ ホールマークや「ENGLAND」の表示がありますので、英国風は間違いところですが、さらには、ブレード部分の鋸(のこぎり)、これはイギリスのケーキをサーブするには欠かせない機能なのです。 

イギリスのケーキナイフにはギザギザの鋸刃が付いているのが普通です。 ケーキをサーブするのに、なぜ鋸かとも思いますが、イギリスのケーキは表面を砂糖の塊のようなアイシングで、こてこてに固めたケーキが多く、実際のところ切り分けには鋸が必要なのです。

このアイシングたっぷりのイギリス風ケーキというのは、びっくりするほど美味しくないことが多いので不思議です。 日本でこんなケーキが出てきたら、誰もがきっと絶句することでしょう。 しっとりとした普通のケーキとは似ても似つかぬ、水気もなくぱさぱさしたスポンジに砂糖の塊が数ミリの厚さで塗りつけてある食べ物です。

ところがもっと驚くのは、イギリスの子供たちは日本やフランス風のしっとりと美味しいケーキよりも、ぱさぱさごわごわのこうしたケーキがお気に入りなことです。 うちの娘の友達が集まるパーティーで、私が手作りケーキを作ってもあまり喜ばれません。 近くのスーパーマーケットで買ってきたようなアイシングたっぷりのケーキがいいのです。

イギリスでアンティーク ケーキナイフのギザギザした鋸を見ていると、ずっと昔のヴィクトリアンやエドワーディアンのケーキもきっと凄まじいものだったのだろうと思います。 百年以上の年月をかけて、ブリティッシュ トラディショナル ケーキの伝統がイギリスの子供たちにしっかり根付いているのでしょう。

アンティークをきっかけに、その国の文化や伝統について考えてみるのは楽しいことだと思います。 英国アンティーク情報欄の「27.ホールマーク漏れと英国人気質」解説記事もついでにご覧ください。

キングスパターン スターリングシルバー ハンドル & ステンレスブレード ケーキナイフ  サーバー  SHEFFIELD ENGLAND

「SHEFFIELD ENGLAND」 キングスパターン スターリングシルバー ハンドル with ステンレスブレード ケーキナイフ & サーバー 裏面の様子

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