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No. 16260 フランス製 シルバー ホールマーク付 トリニティー モチーフ シルバー クロス
縦の長さ 4.3cm、留め具を含む縦長 4.8cm、横の長さ 2.8cm、最大厚み 2.5mm、フランス製シルバーを示す刻印あり、一万五千円

透かしが美しくゴージャスなフランス製のシルバー クロスです。 1838年に導入されたフランス銀のホールマークが刻印されており、かなり古い銀製品です、今から百年ほど前の作でありましょう。

クロス最上部の丸い部分の裏と表には、フランス製シルバーのスタンダードマークである「いのししの頭」マークと、菱形のフランス製メーカーズマークが刻印されています。

小さなホールマークを手掛かりにフランス製と分かることは、この銀アクセサリーの興味深いところと思います。 一般にフランス製シルバーにはデートレターの定めはありませんが、刻印や全体の作りや雰囲気からみて、この銀クロスが作られたのは、19世紀の終り頃からイギリスで言えばエドワーディアンの頃だろうと思います。

フレンチシルバーのホールマークはその小ささが特徴で、ちょっと見ただけでは分かり難いのですが、アンティークハント用のルーペがあれば、とても小さな手掛かりを読み取ることで、フランス製であることが解読できます。 この機会にフランスのホールマークについて少し解説しておきましょう。

1838年に導入されたフランス製シルバーのスタンダードマークにはいくつかの種類があります。 大きめな銀には知恵と武勇の女神、ミネルバの横顔マークを、そして比較的小さな銀には「いのししの頭」あるいは「蟹」のマークが刻印されます。 

ただ、問題は「いのししの頭」と「蟹」のマークの大きさが、1.25mm*1.75mmと小さいので判読が難しいことです。 まず、マークサイズが小さいので見落としがちになり、ホールマークからこの品はフレンチらしいと気付くのに時間がかかります。 そしてさらに、小さな刻印の中に描かれた図柄まで識別するには、刻印の表面をクリーニングする必要も出てきますし、やはりルーペの助けが必要にもなるのです。

それから、写真のシルバークロスの場合には、クロスの四方に見える三つの尖がりが特徴的です。 これらはトリニティーを表象しています。 トリニティーとは、「the Father, the Son and the Holy Spirit(父なる神、子なるイエス・キリスト、そして聖霊)」の三者が一体であるとする三位一体説のことで、クロスに見える三つの尖がりが三者をあらわしていると言うわけです。 

オックスフォードやケンブリッジなど歴史の古い大学に行きますと、キングスカレッジやクイーンズカレッジなどの名前に加えて、トリニティーカレッジもおなじみです。 トリニティーという概念は、昔から重要な役割を果たして来たことがうかがい知れます。

『私はキリスト教の信仰者ではありませんが、何故かクロスにとても惹かれます。』というお便りをいただきました。 

英吉利物屋ではアンティークのクロスを扱っておりますので、関心のある方から、そういうお話があるのは珍しいことではないかも知れません。 けれども、クロスに惹かれるという話はこれが初めてというわけでなく、多くの方からお聞きしてきましたし、私もそう感じることがあるので、なぜだろうかと考えたくなるのです。

英国アンティーク情報欄にあります「40. 何故かクロスにとても惹かれます。 その理由を英吉利物屋風に考えてみました。」もご覧いただければ幸いです。

フランス製 シルバー ホールマーク付 トリニティー モチーフ シルバー クロス



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