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No. 16204 アール・デコ シルバープレート MADE IN ENGLAND ケース
縦の長さ 9.5cm、横の長さ 8.7cm、最大厚み 1.05cm、重さ 118g、1920年代から30年代の英国製、Frederick Field Ltd 作、八千五百円

直線を基調としたアール・デコ様式のシルバープレートのケースです。 基本フォルムは角型の長方形ですが、両サイドのあたりは表と裏ともに少し傾斜が入ってアクセントになっています。

ヴィクトリアンやエドワーディアン頃の曲線タイプと違っておりますが、これは当時の時代を反映したものであって、興味深く思います。

エドワーディアンの時代からもう少し年月を経て、このような平板タイプでやや大型のシガレットケースが登場したものです。 現代的な用途としては、名刺等のカード入れにちょうどよさそうです。

あまり使われることなく今に至っているものか、内側のゴールドギルトのコンディションが良くて綺麗です。 バネ構造のストッパーは伸び縮みして、爪で掛けるようになっていますので、取り外しが出来ます。

作られたのはエドワーディアンの時代が終わって1920年代から1930年代あたりと思います。 

写真三番目のように蓋を開けると、左側の下方に Frederick Field Ltd のメーカーズマーク、「EPNS」刻印、そして「MADE IN ENGLAND」の刻印があります。 EPNSとは、Electro-plated Nickel Silverを意味しています。

1920年代、30年代はアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当時の人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 

アール・デコについてはいろいろな説明がありますが、この解説はかなり言いえているように思います。 イギリスを隅々まで旅してみて、どんな小さな田舎の村にも、第一次大戦の戦没者を悼む記念碑が建っているのを知りました。 英国人の暮らしを根底から揺るがした出来事であったことが想像されるのです。

アール・デコ シルバープレート MADE IN ENGLAND ケース


裏面の様子


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