英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 15942 スターリングシルバー バターナイフ SOLD
長さ 16.1cm、重さ 28g、ブレードの最大幅 2.25cm、柄の最大厚み 2.5mm、1919年 シェフィールド、John Round & Son Ltd.作、SOLD

今から九十年以上前に作られたスターリングシルバーのバターナイフです。

シンプルかつプレーンタイプの品ながら、28グラムと持ちはかりがあって、持った感じがしっかりしているのは英国風ですし、ブレード背の two notchesなどトラディショナル イングリッシュ バターナイフの特徴もよく備えたアンティークと思います。 古い品ですが、コンディション良好で綺麗なのもよいでしょう。

柄の裏面に刻印されたホールマークは順に、シェフィールドの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1919年のデートレター、そしてJohn Round & Son Ltd.のメーカーズマークです。

メーカーのJohn Round & Son Ltd.はシェフィールドの大きなシルバースミスで、アンティークとしても今日でもよく見かける有名メーカーの一つです。 ジョン ラウンドによって1847年シェフィールドで創業され、当初はスプーンとフォークのメーカーでした。職人技の素晴らしさとデザインの優雅さで、次第にその評価を確立して、息子のエドウィンをパートナーとして迎える頃には、銀器なら何でもこなすシェフィールドの大メーカーに成長していました。 第一次大戦を境にしてイギリスの国力が衰えていくと、多くのシルバースミスも衰退していった中で、John Round & Sonは1962年までシルバースミスとして仕事を続けていたというのも珍しい例と思います。

英国で「アンティーク」という言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品」を指すことになります。 そんな訳で、英語で言うと「It will become an antique in four years. (この品はあと四年でアンティークになります。)」という言い方をされることがあります。 アンティークコレクターにとっては、やはり百年という年月の経過は大きなメルクマールになりますので、上記のような会話がなされる機会も多いのです。 

この銀のアクセサリーが作られたのは1919年ですから、正式なアンティークに昇格するまでにあと数年が必要になる計算です。 しかし、気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、この銀のバターナイフには、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

歴史を振り返ってみますと、この品が作られたのは第一次世界大戦の頃になります。 その頃の出来事として、今から百年前の1912年にはタイタニック号氷山に衝突して沈没とか、あるいは日本では明治時代が終って大正時代になり、夏目漱石の『こころ』が世に出た頃のことであって、ずいぶん昔のことなのです。 アンティークを手にしていると、百年に近い時の経過があらためて身近に感じられるのは楽しいことです。

スターリングシルバー バターナイフ


イギリス アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ