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No. 15739 マザーオブパール ハンドル シルバープレート ケーキナイフ
長さ 23.7cm、重さ 63g、ブレード最大幅 2.1cm、ブレード背の最大厚み 1mm強、マザーオブパール ハンドルの最大幅 1.8cm、七千二百円

色艶のよいマザー オブ パール ハンドルは最大幅が1.8センチほどあって、内側からミルクホワイトの輝きがこぼれてくる感じで、光に当たるとうっすらと虹色の輝きが出るのがとても綺麗です。

ブレード部分には鉤彫りと波線彫りの装飾が効いて、途中の三箇所に花のつぼみのような飾り彫りも見えます。 

また、裏面にはEPNSの刻印があります。 EPNSとは、Electro-plated Nickel Silverを意味しており、遠い昔のエレクトロプレート技術につながるアンティークです。

イギリスにおけるこのあたり事情について詳しくは、英国アンティーク情報欄にあります「エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の解説記事をご覧ください。

63グラムと持ちはかりがあって重たくて、ギザギザしたブレード背の最大厚みも1ミリ強あり、英国風なしっかりタイプのナイフになっています。 

ブレードの背はギザギザと鋸(のこぎり)状になっています。 ケーキをサーブするのに、なぜ鋸かとも思いますが、イギリスのケーキは表面を砂糖の塊のようなアイシングで、こてこてに固めたケーキが多く、実際のところ切り分けには鋸が必要なのです。

このアイシングたっぷりのイギリス風ケーキは本当に美味しくないのでびっくりします、日本でこんなケーキが出てきたら、誰もがきっと絶句することでしょう。 しっとりとした普通のケーキとは似ても似つかぬ、水気もなくぱさぱさしたスポンジに砂糖の塊が数ミリの厚さで塗りつけてある食べ物です。

ところがもっと驚くのは、イギリスの子供たちは日本やフランス風のしっとりと美味しいケーキよりも、ぱさぱさごわごわのこうしたケーキがお気に入りなことです。 うちの娘の友達が集まるパーティーで、私が手作りケーキを作ってもあまり喜ばれません。 近くのスーパーマーケットで買ってきたようなアイシングたっぷりのケーキがいいのです。

このアンティーク ケーキナイフのギザギザは、百年以上前のヴィクトリアンの頃からイギリスの伝統となっていて、ヴィクトリアンのケーキもきっと凄まじいものだったのだろうと思います。 百年以上の月日をかけて、ブリティッシュ トラディショナル ケーキの伝統がイギリスの子供たちにしっかり根付いているのです。

アンティークをきっかけに、その国の文化や伝統について考えてみるのは楽しいことだと思います。 英国アンティーク情報欄の「27.ホールマーク漏れと英国人気質」解説記事もついでにご覧ください。 

マザーオブパール ハンドル シルバープレート ケーキナイフ

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