英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 15666 フラワー デザイン シルバープレート ケース
縦の長さ 9.3cm、横の長さ 6.5cm、最大厚み 1.5cm、重さ 63g、ドイツ製、七千三百円

ほぼ未使用と思われ、コンディションのよい美品です。 蓋を開けると、エッジの内側に「GERMANY」とありますので、ドイツ製と分かります。

デートレター等の判断材料がないこと、使用感の少ないことから、いつ頃作られたものか推定が難しいところであります。 それでもいくつか手掛かりがあって、この品の興味深いところとなっています。

この品を見ておりますと、1920年代から30年代あたりの英国製シルバーケースと、デザインや構造がよく似ています。 裏面の半分が波模様デザインで、半分がプレーンというパターンは当時の英国製シルバーケースでよく見ます。 また全体のふっくら感あるフォルムも当時の英国製シルバーケースに似ています。 

初めに見た時には英国製と思ったのですが、蓋を開けると、エッジの内側に「GERMANY」とあって、ちょっと驚きました。 この品を求めたアンティークディーラーさんからは60年代後半のデットストックと聞きました。

イギリスでは外国製品にオリジンを示すようにせよとなったのが、ヴィクトリア時代の終り頃で1887年からです。 「GERMANY」と表示されているのは、この品が輸出品であったためと考えます。 この程度の輸出品と言っては失礼ですが、もっと複雑な工業製品はいくらもありますので、こういう品をドイツが輸出していたのは、60年代あたりまでだろうとも思います。 輸出先のイギリスを意識した為か、あるいは、戦後しばらくは日本製もそうだったと思いますが、1930年代のイギリス製を模倣して作ったものか。 

それから、ドイツでは戦後も長い間「GERMANY」表示を使っていました。もともとお上が決めた制度でもなく、それぞれのメーカーの判断に任されていた為です。 1974年になって初めて、ドイツ連邦裁判所で「GERMANY」では東西ドイツが分からないという判断が示されたそうです。

長くなりましたが、まとめますと、戦前の英国製シルバーケースを参考にして作った、60年代ドイツの輸出品というのが、私の考えです。

フラワー デザイン シルバープレート ケース





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