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No. 15595 エドワーディアン スターリングシルバー ブレッドフォーク with バラの花 レリーフ
長さ 16.6cm、重さ 45g、最大横幅 3.8cm、柄の最大幅 1.8cm、柄の最大厚み 2.5mm、1909年 シェフィールド、James Deakin & Sons Ltd作、二万円

今から百年以上前のエドワーディアンの時代に作られたスターリングシルバーのブレッドフォークです。 45グラムと重たいので、手にしてみると、ずっしりと銀の質感が心地よいところは、私好みのシルバーウェアで気に入りました。

表と裏の両面に装飾があって、ゴージャスな印象に仕上がっております。 両面ともに柄先にはバラの花のレリーフがアクセントになっています。 写真四番目をご覧いただくと、裏面のレリーフ装飾にはキングスパターンで見られるようなシェル飾りもあって興味深く思います。

バラの花はチューダーローズの昔から、イギリス人に好まれる花です。 英国の長い歴史的背景があって、シルバーウェアのデザインにもバラの花が取り上げられてきたものでしょう。 フィールドを歩いておりましても、野ばらをよく見かけます。 おそらくイギリスの気候がバラにあっており、あまり世話をしなくても綺麗に咲くことも関係あるのではないかと見ております。

写真のアンティークの場合には、加えてシェルのデザインが見られます。 このモチーフは、もともとは12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

写真三番目に見えるように、裏面にはブリティッシュ ホールマークが刻印されています。 ホールマークは順にシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1909年のデートレター、そしてJames Deakin & Sonsのメーカーズマークです。

シルバースミスの「James Deakin & Sons Ltd」は、1865年にジェームス・ディーキンによってシェフィールドで創業されたのが始まりです。 1886年には彼の三人の息子達、ウィリアム、ジョン、アルバートもパートナーに加わり、ファミリービジネスとして上述の社名に変更し、事業は順調に発展していきました。 1888年にはロンドン支店開設、ヴィクトリア後期の1890年代には、スコットランドのグラスゴーとアイルランドのベルファストにも支店を開設しています。 

しかし多くのシルバースミスがそうであったように、事業のピークは英国の国力がピークであったビクトリア後期からエドワーディアンの時代にあったようです。 その後は事業を次第に縮小していき第二次世界大戦が始まった1940年には店を閉めました。 メーカーズマークの「JD WD」はJohn & William Deakinのイニシャルになっています。 

ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代のディナーテーブルでは、ロールパンやスライスパンをサーブするのに優雅なブレッドフォークが使われていました。 テーブルエチケットの変遷につれて、今日の食卓ではブレッドフォークは使われなくなってしまったので、その意味でもまさにアンティークと言えましょう。 

今ではもうなくなってしまったシルバーウェアは昔の時代に思いを馳せるに貴重で、アンティークシルバーの収集家にとってはコレクターアイテムともなっております。 現代ではブレッドフォークでパンをサーブすることはあまりないと思いますが、それはそれ、用途を変えて、パーティーの時などにオードブルサーバーとして使ってみたら、ゴージャスで話題性のあるアンティークですので楽しいでしょう。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 この銀のブレッドフォークが作られたのは1909年ですから、正式な‘アンティーク’に晴れて昇格している品ということになります。 

一言に百年といっても、やはりそれだけの時の経過は大変なことと思います。 ちなみにこの頃の歴史年表を眺めてみますと、1910年:エジソンが電球を発明とか、1912年:タイタニック号氷山に衝突して沈没とか、出てきます。

このアンティークが作られ、使われていた時代というのは、電灯もなかった時代なわけで、こうしたアンティークを手にしながら、その昔の時代に思いを馳せるのはアンティーク好きの楽しみであろうと思うのです。



表側の柄の様子


裏面の様子


裏面の柄の様子



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