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No. 15515 エドワーディアン スターリングシルバー フルーツナイフ
開いた長さ 14.6cm、閉じた長さ 8.6cm、重さ 29g、柄の最大幅 1.3cm、厚み 3mm強、1906年 シェフィールド、二万円

かなり美しい工芸品に仕上がっていると感じます。 マザー オブ パール柄の多いフルーツナイフの中にあって、全銀フルーツナイフというのは珍しく、レアものアンティークの範疇に入るといってよいでしょう。 今から百年以上昔のエドワーディアンの時代、1906年に作られているという古さもアンティークとしての魅力になりましょう。

フルーツナイフとしては大きめサイズで、全体が銀なので、やはりしっかり出来ているのは安心です。 フラワーエングレービングは美しく、背景部分の彫刻も繊細で、レベルの高い仕事ぶりです。

両面にわたって、しつこいくらいにブリティッシュ ホールマークが刻印されているのもポイントです。 表のブレード部分に見えるホールマークは順にシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1906年のデートレター、そしてメーカーズマークになります。 表の柄にもシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1906年のデートレター、そしてメーカーズマークが刻印されております。

さらには写真三番目に見えるように、柄の裏面にもスターリングシルバーを示すライオンパサント、1906年のデートレター、そしてメーカーズマークが刻印されております。

フラワー エングレービングは見事なもので、花の輪郭は深めなタッチの彫りですが、花びらの内側は、同心円状に細かなドット状の彫刻が施されております。 さらに、お花の背景部分には、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を施して影を付けていった細工になっており、手仕事としてはかなり高度な芸術品に仕上がっています。 お手元にルーペがあれば、見て楽しむのもまた良しという工芸品のアンティークです。

こうしたタイプのフルーツナイフが英国で作られるようになったのは、ジョージアンやヴィクトリアンの時代からで、リンゴやナシを剥くのに使われました。 しかし、今日では英国人がリンゴを食べるとき、皮を剥いて食べることはむしろ少ないように思います。 

英国のリンゴは直径が五、六センチと小振りなタイプが多いので、ランチに丸ごと一個をつけたり、あるいはちょっとお腹がすいた時のおやつとして、そのまま丸かじりする方が多いのです。 また、イギリス人はあまり人目を気にしないのか、女性でも電車の中などで、リンゴを丸かじりしている人の姿を見かけます。 べつに恥ずかしいことでもないわけです。

日英比較の観点からは、リンゴの丸かじりというのは面白い光景です。 日本のリンゴは大きくてナイフで皮を剥いて食べるのが普通でしょうから、もし日本の電車の中でリンゴを丸かじりしている女性がいたら、どんな風だろうかと想像すると可笑しくなりますが、所違えばなんとやらで、イギリスではいたって普通の光景なのです。

イギリスの方の中には、写真のようなアンティーク フルーツナイフを、今日的にはペーパーナイフとして活かしている方があることを知りました。 なるほど、ペーパーナイフとしては装飾的な楽しさに加えて、実際に使ってみても封書の開封などスパッといって使い勝手もよろしいようで、なかなか良いアイディアと感心した次第です。

エドワーディアン スターリングシルバー フルーツナイフ




裏面の様子1


裏面の様子2

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