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No. 15213 スカンジナビアン シルバー コンポートスプーン with フラワー ピアストワーク SOLD
長さ 13.8cm、重さ 25g、透かし柄の最大幅 2.35cm、柄の最大厚み 2mm弱、ボール直径 4.1cm、ボールの深さ 1.2cm、SOLD

ボール部分は丸っこいドーム状で1.2cmの深さがあります。 ピアストワークの美しいシルバーですが、25グラムと持ちはかりがあって、けっこう重たいので、手にした時に銀の重さも楽しめるテーブルウェアに仕上がっています。 

透かし柄のデコレーションが凝っていてゴージャス感があります。 フルーツなど扱うコンポートスプーンとして作られたシルバーウェアと思いますが、ボールが深いのでスープ用にも使えそうです。 そうなると、ステーキの時など、グレービーソースも作ったら、ソースサーバーという使い方もよさそうです。

柄の裏面にはいくつかのシルバーホールマークが刻印されていて、この品の由来が詳しく分かるところには、とても興味を惹かれました。 写真二番目で見て柄先に向かってはメーカーズマークや「830S」の刻印がありますが、これはノルウェー製 シルバーのスタンダードマークになります。

そして、柄元の方に刻印されている二つのマークは、楕円に「三つの王冠」と正六角形に「S」のマークで、これらはスウェーデン シルバーのインポートマークになります。

以上の刻印から分かることは、写真のスプーンはノルウェーで作られて、スウェーデンに持ち込まれ、スウェーデンのアセイオフィスで輸入品としてインポートマークを刻印された銀製品であると言うことです。

デンマークにノルウェーとスウェーデンを加えて、時にアイスランドとフィンランドも合わせた地域をスカンジナビアと呼びますが、この銀スプーンのホールマークから読み取れる広域的なバックグラウンドは、まさにスカンジナビアン アンティークと呼ぶにふさわしいと感じます。

北欧諸国はバイキングの流れをくみ、歴史的に見ても交流が盛んな国々であります。 根っこのところはつながっているけれども、今ではそれぞれ独立国としてやっているというのが面白いと思います。 通貨の単位にしても、ノルウェークローネ、スウェーデンクローネ、デンマーククローネであって、三国ともクローネながら、交換レートは一対一ではなくて、それぞれ別々の通貨です。 

写真の銀器は、昔から北欧の国々が活発に交流してきた、その延長線上に生み出された銀製品あることをホールマークが示していて、興味を惹かれます。

余談ながら、クリスマスの頃にノルウェーのオスロへ行ったことがあります。 オスロという街はまさに森の中にある小さな首都です。 飛行機が高度を下げて、雪景色のノルウェーの森、そしてオスロの眺めはとても幻想的でした。 ビートルズの『Norwegian Wood 』や、村上春樹氏の『ノルウェイの森』が頭にあって、感動を深めたのかも知れません。

帰途、十二月のノルウェーはとても日が短く、飛行機に乗っていたら早々と水平線の向こうに夕陽が沈みました。 オスロ・ロンドン間は北海を横切って行くのですが、上空から真っ暗な夜の海に、あちこち北海油田の炎が点々と連なって見えたのは、これまた壮観だったことを思い出します。

スカンジナビアン シルバー コンポートスプーン with フラワー ピアストワーク

柄の裏面の様子

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