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No. 15137 シルバープレート ブレッドフォーク with ピアストワーク
長さ 15.6cm、重さ 32g、最大横幅 3.95cm、透かし柄の厚み 1mm強、八千円

シルバープレートの品ですが、遠い昔に労働集約的な手作業で時間をかけて作られたアンティークであって、現代の品ではなかなか見られない味わいがあります。 両面に施された手彫りの彫刻は繊細かつレベルの高い仕事振りです。 デートレターがないので、製作年を特定することは難しいのですが、エドワーディアン頃の品で間違いないでしょう。

スターリングシルバーではないので、ご不満の向きもありましょう。 しかし、これだけの作品となりますと、たとえホールマークはなくとも、工芸品としての美しさが自ずから時の経過を示しているわけで、細工の様子や全体の出来栄えから、ほぼ製作年代が特定できることは、古い品として得がたいポイントになっており、目の保養にも一役買ってくれる素晴らしいアンティークであると、私は思います。

エドワーディアンの頃までの英国では、パンをサーブするのに、このような優雅なブレッドフォークが使われていました。 今日ではあまり使われなくなった用途のアンティークというのは、話題性があって楽しいものです。 手元に置いて眺めているだけでも楽しく、美しいアンティークですが、パーティーの時などにオードブルサーバーとして使ってみたら楽しそうです。

ルーペで詳細に調べてみると、糸鋸を引いた跡も繊細で、細工のよい品であることが分かります。 手仕事で糸鋸を引いていくのですから、職人さんの優れた技術と多くの時間がかかります。 現代のシルバースミスの方からお聞きしたのですが、当時の手間をかけた丁寧な仕事は、現代の労働コストが上昇した英国では、大変なお金がかかり、もはや出来ないとのこと。

シルバープレート、つまり銀メッキの品には、私を含めて日本の多くの方はあまりよい印象を持ちません。 「メッキが剥げる」という言い方に代表されるように、言葉自体に悪い意味を感じることもあるのでしょう。

しかし手仕事の素晴らしさ、細工の美しさを感じさせるシルバープレートの品に出会うことがしばしばあります。 実際に使ってみても、しっかりしたプレートであれば日常使いでプレートが容易く剥げてくることはありません。 お手入れもシルバー製品と同様にシルバーポリッシュの布で磨いてもらえば銀の光沢を維持できます。 それではシルバープレートの品とどう付き合っていったらよいのでしょうか。 私なりの考えを先に申し上げると、コンディションがまず良好で、細工が素晴らしく、職人さんの心意気が伝わってくる品であれば、シルバープレートの品であっても取り入れていったらよいのではと思うようになりました。

シルバープレートウェアについて詳しくは、アンティーク情報欄にあります 「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の解説記事をご参考ください。

シルバープレート ブレッドフォーク with ピアストワーク



裏面の様子、メーカーズマークが見えます。

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