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No. 15136 ブリタニア スタンダード シルバー インゴット ペンダントヘッド with シルバージュビリー コメモレーション マーク SOLD
インゴットの縦(留め具含まず) 4.25cm、横 1.4cm、厚さ 6mm弱、重さ 32g、上から三つ目のライオンパサントの横幅 7.5mm、1977年 シェフィールド、SOLD

通常の銀製品よりも大きなホールマークがしっかりと刻印され、ブリティッシュ スターリングシルバー ホールマークの見本のようなインゴット型ペンダントヘッドです。 縦横厚みのバランスが、いわゆる金の延べ棒と同じ形状をしております。 32グラムとかなり重たくて、ペンダントヘッドとして身につけるのは負担になろうかとも考えます。

ただし、身につけることは止めて、身の周りにおいて楽しむと言うのも、一つのあり方かも知れません。 32グラムと持ちはかりがあるので銀の重みが心地よく、さらに英国シルバーホールマークのデザインそのものを楽しむ趣向のアクセサリーと言えましょう。 

最初この品を見た時には、よく見かけるスターリングシルバー インゴットペンダントかと思いました、しかしよく見てみるとこれは珍しい品であることが分かりました。 ホールマークの中にスターリングシルバーであることを示すライオンパサントがありません。 代わりに女神ブリタニアのマークが上から三番目に刻印されているのです。

英国のスターリングシルバーとは、92.5%の銀純度で、残りの7.5%は主に銅からなっていて、適度な強度を保ちながら加工もしやすいことから、英国ではこれをもってスタンダードとされてきました。 しかし英国シルバーの長い歴史の中で18世紀初頭の約20年間、スターリング スタンダードにかえてブリタニア スタンダードが採用されていました。 銀の純度を95.8%に上げたのですが、軟らか過ぎて実用に向かず、わずかな期間を経て、その後またスターリング スタンダードに復帰した経緯があります。

この品はスターリング スタンダードに代えて、リバイバルさせたブリタニア スタンダードで作られた英国シルバーなのです。 ホールマークは左上から順に、メーカーズマーク、シェフィールドのバラ、女神ブリタニアのマーク、1977年のデートレター、、そして中央がエリザベス二世の横顔で女王戴冠25周年を記念するシルバージュビリー コメモレーション マークになります。

ブリタニア スタンダードを示す女性像の Britannia とはイギリスという国家を擬人化した象徴であって、アメリカ合衆国における自由の女神に相当しています。 もともとのモデルは17世紀の英国王チャールズ二世の時代に実在したリッチモンド公爵夫人と言われますが、長い歴史を経た現在では「Britannia」=「イギリスの国」という通念が確立していると言ってよいでしょう。 さらに歴史を遡ると、紀元前後に今日のイギリスをその領土の一部にしていたローマ帝国が、イングランド南部をラテン語でブリタニアと呼んでいたことに起源があります。

ホールマークについて詳しくは、英国アンティーク情報欄にあります「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」の解説記事もご参考ください。

ブリタニア スタンダード シルバー インゴット ペンダントヘッド with シルバージュビリー コメモレーション マーク



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