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No. 15055 エドワーディアン スターリングシルバー フルーツナイフ with マザー オブ パール ハンドル
開いた長さ 12.1cm、閉じた長さ 6.9cm、重さ 17g、柄の最大幅 1.0cm、厚み 6mm、1904年 シェフィールド、一万九千円

マザーオブパールのハンドルにスターリングシルバーの刃がついた折りたたみフルーツナイフは、もともとは英国紳士の持ち物としてジョージアンの頃に登場しました。 最初の頃は実用的な品が多かったようですが、ヴィクトリアンそしてエドワーディアンと時が経つにつれて、次第にデザイン的にも洗練された綺麗なフルーツナイフが作られるようになっていきました。 

写真のフルーツナイフの綺麗さ加減は相当なもので、素材も銀とマザー オブ パールということで、数百年かけて進化していったフルーツナイフの最終形態と言ってよいでしょう。

銀のブレード、マザー オブ パール柄、彫刻の様子、そして折りたたみの具合、どこを取ってもほぼ完璧なコンディションのエドワーディアン アンティークです。
ホールマークを判読してみると、今から百年以上前の1904年に作られた品であることが分かります。 日本の歴史で言えば日露戦争の頃ですから、ずいぶん歴史のあるアンティークと思います。

フラワー エングレービングは見事なもので、花の輪郭は深めなタッチの彫りですが、花びらの内側は、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を施して影を付けていった細工になっており、手仕事としてはかなり高度な芸術品に仕上がっています。 葉っぱの部分も繊細な彫刻でルーペがあれば、さらに楽しめる工芸品のアンティークです。

ブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されているのも良いでしょう。 ブレード部分にしっかり深く刻印されたブリティッシュ ホールマークは順にシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1904年のデートレター、そしてメーカーズマークになります。

マザー オブ パールという素材はミルクホワイトの輝きが内側からこぼれてくるようで、光に当たると見えてくるうっすらとした虹色の輝きが綺麗です。 

マザー オブ パールの品をお買い上げいただいたお客様から、次のようなお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
『取手の白蝶貝のうっすらとした輝きがとても綺麗です。 まるで、嵐が来る前の空のようだと思いました。 上空を凄い速さで白い雲が流れていく中、時折、空全体がぱあっと明るくなる様子を髣髴とさせます。』

イギリスは一日の中でもお天気の移り変わりが激しくて、さっきまで晴れていたかと思うと、一転してにわかに雲が天を覆うことも多く、お客様からの文章にあったような光景をしばしば目にいたします。 なるほどと、マザーオブパールをとてもよく形容しているように思いました。

イギリスの方の中には、写真のようなアンティーク フルーツナイフを、今日的にはペーパーナイフとして活かしている方々があることを知りました。 フルーツナイフのブレードは薄めに出来ているので、実際のところ、フルーツ用に使うにはちょっと頼りないことは、以前から不思議に思っておりました。 日本の大きめサイズのリンゴなどは切れないでしょう。 イギリスのリンゴやナシは小さめなので、こうしたフルーツナイフでもよいのかなと、少ししっくり行かない気がしていたのです。 ところが、なるほど、ペーパーナイフとしては装飾的な楽しさに加えて、実際に使ってみても封書の開封などスパッといって使い勝手もよろしいようで、なかなか良いアイディアと感心した次第です。

エドワーディアン スターリングシルバー フルーツナイフ with マザー オブ パール ハンドル

エドワーディアン スターリングシルバー フルーツナイフ with マザー オブ パール ハンドル

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