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No. 15040 フランシス・ヒギンス ヴィクトリアン スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 13.4cm、重さ 34g、ボール部分最大幅 3.5cm、柄の最大幅 1.7cm、柄の最大厚み 4mm、1886年 ロンドン、Francis Higgins作、二万四千円

酒瓶とジョッキを手にして陽気に踊る姿が印象的なアンティークです。 柄先に向かってもゴージャスなヴィクトリアーナですが、銀がたっぷりで重たいこともポイントになっております。 有名シルバースミスであるフランシス・ヒギンスは独自のパターンブックを持っておりますが、バカナリアン パターンの派生系として登録されているデザインなのだろうと推測します。

ボール裏面に刻印されているブリティッシュ ホールマークは順に、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1886年のデートレター、ヴィクトリア女王の横顔マーク、そして「Francis Higgins」のメーカーズマークです。 メーカーズマークのハート形は片側部分がややあまい刻印になっておりますが、判読に問題はありません。

シルバーウェアについての参考書を紐解くと、ヴィクトリア時代の最重要なシルバースミスとして、フランシス・ヒギンスとジョージ・アダムス(= Chawner & Co.)が引き合いに出されることが多いようです。 このジャムスプーンを作ったのはその一つである「Francis Higgins」になります。

メーカーズマークはハート型に「FH」が入ったモダンな印象の刻印なのですが、当時のホールマークとしては珍しい形で、そんなことからも一度見たら忘れられないマークです。 Francis Higginsの名前は、やはりコレクター需要が高いのは事実なので、メーカーにこだわりのない方も、シルバーのお勉強がてら、「ハートにFH」=「Francis Higgins」と覚えておかれてもよいでしょう。

また、デートレターをご覧いただくと、その形が盾状をしていて特徴があります。 ロンドン アセイオフィスにおける19世紀のほぼ第四四半期にあたる1877年から1895年までのデートレター サイクルは「盾」と覚えておかれると、アンティークハントの時には便利です。 この時代はイギリスの国力が大いに伸張した時期にあたることから、今日においてもこの頃のアンティークに出会う可能性も高いのです。 デートレターをすべて暗記することは難しくても、「ロンドンの盾はヴィクトリアン後期」と知っておくと便利でしょう。

この品が作られたヴィクトリア時代の背景については、「英国アンティーク情報」欄の「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」や「14.Still Victorian」の解説記事もご参考ください。

フランシス・ヒギンス ヴィクトリアン スターリングシルバー ジャムスプーン



裏面の様子


裏面の様子その2

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