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No. 15038 ヴィクトリアン スターリングシルバー サービングスプーン
with クラウン & エンジェル
長さ 18.2cm、重さ 50g、ボール直径 6.5cm、ボールの深さ
0.8cm、1899年 ロンドン、William Hutton &
Sons Ltd 作、一万三千五百円
今から百年以上前のヴィクトリアン終わり頃に作られたスターリングシルバー サービングスプーンです。 初めに見たときには、ドイツかオランダあたりのアンティーク シルバーの趣を感じましたが、ボール裏面にはブリティッシュ ホールマークが刻印されており、イギリスのアンティークと分かりました。
ハートシェイプの柄先には王冠があって、それを支えるように両サイドにはエンジェルがひかえています。 ヴィクトリアン シルバーサーバーとしては珍しい形状とデザインであることから話題性があって面白い品と思います。
ボール部分の直径が6.5cmとずいぶんと大きいので、実際に使ってみても、使い勝手のよいサーバーです。 そもそも50グラムという持ちはかりが好印象で、シルバーの心地よい重みを感じさせてくれるに十分なヴィクトリアーナと思います。
「William Hutton & Sons Ltd」は1800年ちょうどにWilliam
Huttonが始めた歴史のある銀工房です。 息子から孫へと家族経営が続き、まわりのシルバースミスを吸収合併しながら、次第に有力メーカーの一つに成長していきました。 そして、ヴィクトリアン後期には、Herbert,
Robert, Edwardの三人の孫たちが共同パートナーとなって銀工房が運営されておりました。
末っ子のEdwardには、最も芸術センスがあったのか、本体である「William
Hutton & Sons Ltd」のメーカーズマークの他に、独自のメーカーズマークである「EH」刻印の作品が今に残っています。
おそらく、二人の兄たちはファミリービジネスの規模を拡大するという経営面に、より長けていて、末っ子のEdwardは経営より銀そのものに関心が高い人だったのではないかと思うのです。
「William Hutton & Sons Ltd」のメーカーズマークは縦横に並んだ文字配列が特徴的なので、一度でも見れば記憶に残ることでしょう。 楕円形のメーカーズマーク中央に位置する大きなHの文字がマークを四つの領域に分割し、それぞれにW、&、Ss、LDの文字が配された凝った作りのメーカーズマークになっています。
ボール裏面にはスターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、1899年のデートレターがしっかり深く刻印されています。 メーカーズマークは横の方が少しあまくなっていますが、銀工房名の判読には問題ありません。
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