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No. 15035 三つ葉 モチーフ ヴィクトリアン スターリングシルバー ブローチ
with ブリティッシュ ホールマーク
横の長さ 3.9cm、最大縦長 1.35cm、最大厚み(留め具含まず)
3.5mm、1899年 チェスター アセイオフィス、一万三千円
今から百十年以上前のヴィクトリア時代終り頃に作られた三つ葉をモチーフにしたスターリングシルバーのブローチです。
英語には「live in the clover (安楽に暮らす)」という言い回しがあり、こうした三つ葉のクローバーのよい意味合いが、このヴィクトリアン シルバー ブローチの製作背景にあります。 クローバーと安楽の繋がりについて、牧草を刈り入れしていたファーマーの方から教えていただいたことがあるので、ご紹介しておきましょう。
牧草など植物の成長には土中の窒素分が必要ですが、クローバーは進化した植物で、大気中の窒素を直接に取り込んで養分に出来るのだそうです、そのため、クローバーのある畑は肥沃になります。 また家畜の飼料としてもクローバーの繊維質とプロテインが動物たちの成長に欠かせないのだそうです。 と言うわけで、クローバーに恵まれた農場は栄え、安楽に暮らしてゆけるということでした。
ブローチ周りに見える銀の粒々装飾はグラニュレーションと呼ばれ、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代によく見かける銀装飾の手法です。
裏面には四つのブリティッシュ ホールマークが刻印されているのもよいでしょう。 写真二番目に見えるホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、チェスター アセイオフィスのタウンマーク、そして1899年のデートレターになります。
チェスターシルバーというのも希少価値があってポイントとなりましょう。 英国各地のアセイオフィスで検定を受けたスターリングシルバーのおそらく9割以上は、ロンドン、シェフィールド、バーミンガムのいずれかの品で、チェスターは数が少ないのです。
裏面を見るとチェスター アセイオフィスのシティーマークがくっきりと読み取れます。 チェスターのマークは「Three
Wheat Sheaves(三つの麦束)」と呼ばれ、1686年から使われてきたものですが、1962年にチェスターアセイオフィスが閉鎖となったので、今はもうありません。
この分野のアンティークは現代の品には見られない雰囲気と、一つ一つが個性的で同じものをまず見かけないのが特徴で、ホールマークから製作年やメーカーの特定が可能なことも多いので、私は興味深いアンティーク分野と思っています。
写真のアンティークが作られた頃の時代背景については、英国アンティーク情報にあります「14.Still Victorian」の解説記事もご覧ください。
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