英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 14997 ハートに矢 ヴィクトリアン スターリングシルバー ブローチ
横の長さ 3.9cm、最大縦長 1.4cm、ピンの長さ 3.7cm、ハートの横幅 0.8cm、矢の長さ 1.25cm、1900年 チェスター アセイオフィス、一万三千円

キューピッドの放った矢がハートに当っています。 ハートの左右に続く小花にも、手仕事の味わいが感じられ、このヴィクトリアン アンティーク シルバーの良さになっているように思います。 愛と美の女神ヴィーナス、その子供にあたるキューピッドは、弓矢を手にした翼のついた少年で、その矢に当たった者は恋心を起こすと言われます。 

「ハートに矢」というと、モダンな印象もあるデザインなのですが、裏面のホールマークから製作年を判読してみると、今から百十年も前に作られたことが分かって、へェー そんなに古いんだ、と、ちょっとしたサプライズになるのが楽しい銀のアクセサリーと思います。 このデザインは、私たちが今思う以上にずいぶんと前から、好まれてきたんだなあと、歴史は繰り返すというか、人の想いに今も昔もないことが分かります。

調べてみると、「ハートに矢」のモチーフは16世紀のジュエリーで初めて登場したようです、そして18世紀のフランスで最初の流行がありました。 さらにイギリスではヴィクトリア時代にはハートモチーフが大いに流行ったことが、このブローチの背景にあります。

ハートの縁取りはブライトカット様になっていて、光の反射を誘います。その内側は写真では一本線のように見えますが、実際には細やかな二重ビーズパターンで装飾されています。

裏面には四つのホールマークが完備しており、上に見えるのがメーカーズマーク、下は左から、ヴィクトリア時代最後の年のデートレター、チェスター アセイオフィスのタウンマーク、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントです。

さらに、チェスターシルバーというのも希少価値があってポイントとなりましょう。 英国各地のアセイオフィスで検定を受けたスターリングシルバーのおそらく9割以上は、ロンドン、シェフィールド、バーミンガムのいずれかの品で、チェスターは数が少ないのです。 

裏面を見るとチェスター アセイオフィスのシティーマークがくっきりと読み取れます。 チェスターのマークは「Three Wheat Sheaves(三つの麦束)」と呼ばれ、1686年から使われてきたものですが、1962年にチェスターアセイオフィスが閉鎖となったので、今はもうありません。

この分野のアンティークは現代の品には見られない雰囲気と、一つ一つが個性的で同じものをまず見かけないのが特徴で、ホールマークから製作年やメーカーの特定が可能なことも多いので、私は興味深いアンティーク分野と思っています。

写真のアンティークが作られた頃の時代背景については、英国アンティーク情報にあります「14.Still Victorian」の解説記事もご覧ください。

ハートに矢 ヴィクトリアン スターリングシルバー ブローチ

裏面には四つのホールマークが完備しており、上に見えるのがメーカーズマーク、下は左から、ヴィクトリア時代最後の年のデートレター、チェスター アセイオフィスのタウンマーク、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントです。

イギリス アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ