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No. 14844 ジョージアン スターリングシルバー フィドルパターン バターナイフ SOLD
長さ 18.8cm、重さ 44g、ブレード最大幅 2.6cm、1823年 ロンドン、William Eley & William Fearn作、SOLD

あと十年ちょっとで二百年という時が経過しようというアンティークで、ジョージアン スターリングシルバー フィドルパターン バターナイフになります。 長さが19センチ弱に40グラム超という持ちはかりは、やはりかなり大きくて、ジョージアン アンティークの迫力を感じさせてくれる品と思います。 

写真二番目でホールマークは順に、William Eley & William Fearnのメーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1823年のデートレター、そしてジョージ四世の横顔はデューティーマークです。 

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますが、この銀のバターナイフが作られたのは1823年ですので、余裕でアンティークのカテゴリーに入るどころか、その二倍の"ダブル"アンティークにもなろうという古さで、そんな辺りにもアンティークファンとしての楽しみ方がある品と言えましょう。

二世紀近い時を経ているという古さはやはりアンティークとして大きな魅力といえましょう。 英国の歴史は比較的安定していたことが特徴で、隣国フランスのように大きな革命や動乱を経験せずに今日に至っており、そのおかげもあってイギリスにはアンティークのシルバーが多く残っているとも言えます。 アンティークを手にしながら、歴史を調べて過去の時間に遊んでみる、そういう楽しみ方が、私は好きです。

シルバースミスのWilliam Eley & William Fearnは、当時の有力なパートナーシップとして覚えておいてもよい名前です。

英国シルバーフラットウェアの歴史を紐解くと、1700年代後半から1800年代初めの頃には、有力シルバースミスとして四つのファミリーがありました。 それらはChawner家、Fearn家、Eley家、そしてSmith家の四つのファミリーでした。 彼らは互いに競争しあうと同時に、徒弟制度を通じてお互いに密接に結びついていたので、ある意味ではシルバーギルドの枠内で四ファミリーがもっと大きな大家族を構成していたと考えてよいかも知れません。 と言いますのは、トーマス・チョーナーの下で徒弟として修行を積んだのが、ウィリアム・ファーンやジョージ・スミスであって、長じたウィリアム・ファーンの下で修行をしたのが、ウィリアム・チョーナー二世やウィリアム・イーリーであるといった、徒弟制度上の樹形図で四つのファミリーは結びついていたからなのです。

四つのファミリーは必要に応じてパートナーシップを組んで、メーカーズマークを使い分けており、この品は四大ファミリーのうち、イーリー家とファーン家が組んだパートナーシップであったと言うわけです。

英国のバターナイフの特徴と歴史については、英国アンティーク情報欄の「9.トラディショナル イングリッシュ バターナイフ」の解説記事を、またフィドルパターンについては「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事もご参考ください。





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