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No. 14836 ジョージ三世 スターリングシルバー フィドルパターン バターナイフ
長さ 18.9cm、重さ 42g、ブレード最大幅 2.6cm、1813年 ロンドン、William Eley, William Fearn & William Chawner作、SOLD

もうすぐ二百年という時が経とうとしているスターリングシルバー フィドルパターン バターナイフです。 ジョージアンの中でも1760年から1820年までのジョージ三世時代は長かったので、アンティークにおいても、この時代の品には「ジョージ三世...」と接頭辞のように国王の名前を冠することが多いのです。

写真二番目でホールマークは順に、メーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1813年のデートレター、そしてジョージ三世の横顔はデューティーマークとなります。 

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますが、このバターナイフが作られたのは1813年ですから、余裕でアンティークのカテゴリーに入るどころか、あと数年で"ダブル"アンティークになるわけで、そんな辺りにもアンティークファンとしての楽しみ方がある品と言えましょう。

メーカーのWilliam Eley, William Fearn & William Chawnerは、ジョージアンの時代にあっては最も有力なパートナーシップとして覚えておいてもよい名前です。

英国シルバーフラットウェアの歴史を紐解くと、1700年代後半から1800年代初めの頃には、有力シルバースミスとして四つのファミリーがありました。 それらはChawner家、Fearn家、Eley家、そしてSmith家の四つのファミリーでした。 彼らは互いに競争しあうと同時に、徒弟制度を通じてお互いに密接に結びついていたので、ある意味ではシルバーギルドの枠内で四ファミリーがもっと大きな大家族を構成していたと考えてよいかも知れません。 と言いますのは、トーマス・チョーナーの下で徒弟として修行を積んだのが、ウィリアム・ファーンやジョージ・スミスであって、長じたウィリアム・ファーンの下で修行をしたのが、ウィリアム・チョーナー二世やウィリアム・イーリーであるといった、徒弟制度上の樹形図で四つのファミリーは結びついていたからなのです。

四つのファミリーは必要に応じてパートナーシップを組んで、メーカーズマークを使い分けており、この品は四大ファミリーのうち、イーリー、ファーンそしてチョーナーが組んだパートナーシップであったと言うわけです。

英国のバターナイフの特徴と歴史については、英国アンティーク情報欄の「9.トラディショナル イングリッシュ バターナイフ」の解説記事を、またフィドルパターンについては「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事をご覧になってください。

ジョージ三世 スターリングシルバー フィドルパターン バターナイフ


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