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No. 14746 スターリングシルバー ケース
縦の長さ 8.4cm、横の長さ 7.7cm、厚み 1.35cm、重さ 91g、1925年 バーミンガム アセイオフィス、二万三千円

開くと内側には写真三番目のように、ゴールドギルトが施されています。 もともとは男性用のシガレットケースですが、こんなに綺麗な品なら、薬入れや裁縫セット入れとして女性の持ち物にもしてみたいと思います。

写真一番目で見て、花札の短冊のような所がありますが、ここは本来ですとイニシャルなど刻むスペースです。 何も刻まれていない状態ですので、新しいオーナーの方がネームを入れることも出来るでしょう。

写真三番目で見て内側左サイドには四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されています。 ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガムアセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1925年のデートレターになります。

内側右サイドにもスターリングシルバーを示すライオンパサントと、1925年のデートレターの刻印があります。 さらには、留め具の開閉ポッチ部分にもスターリングシルバーを示すライオンパサントの刻印があります。 蓋の開け閉めについても良好なコンディションで、パッチリしっかり開閉できます。

彫刻のモチーフは渦巻きとウェーブパターンの融合デザインです。 波模様モチーフには、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)という意味合いが象徴されており、ヴィクトリアンからエドワーディアンの頃に好まれたクリスチャンモチーフのデザインです。

「Spiral=渦巻き、螺旋」というのは、とても重要なケルティックモチーフで、渦巻きは太陽を象徴し、そこからGrowth(成長)、Expansion(拡大)、Energy(活力)の意味合いが導かれます。 イギリスにおけるケルティック リバイバルの潮流の中で渦巻き様のウェーブパターンが流行っていった経緯があります。

基本デザインの渦巻き様のウェーブパターンは、深めなタッチで彫られています。 その背景に色合いが濃く見える部分も微細な彫刻で影を付けた細工で、両面に施された手彫りのエングレービングが、この銀のアンティークをかなりの工芸品にしています。 

波模様の背景に影のように見える部分は、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を引いて影を付けていった細工です。 写真では解像力不足でよくご覧いただけないのが残念ですが、マグニファイイング グラスで鑑賞いただくと当時の限界的な手仕事のレベルの高さに驚かれると思います。 

スターリングシルバー ケース

裏面の様子



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